理美容メーカーのアジュバンの2021年3月期通期業績は、売上高が前年比4.5%増の48億8500万円、営業利益は2億9200万円、経常利益3億2500万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1億7400万円と、いずれも前年の赤字から黒字転換した。

売上高は、スキンケア商品の需要の減少もあったものの、昨年10月に発売した新ヘアケアブランド「KASUI」の投入効果で伸長。なお、アジュバンサロン登録軒数は、8396軒(前期末比601軒増)となった。

利益面では、新商品の投入効果による売り上げの増加および人件費、旅費交通費等の減少、サロン向けの全国イベント開催の延期による販促費の減少などコストや経費の圧縮のほか、滞留在庫の改善により下k名率が1.3ポイント提言したことなどで黒字化した。

区分別売上高はスキンケアが12.8%減の15億6700万円、ヘアケアが17.1%増の27億2500万円、その他が4.5%増の9億2300万円だった。

22年3月期通期業績は、売上高7.5%減の45億1700万円、営業利益56.0%減の1億2800万円、経常利益57.6%減の1億3800万円、親会社株主に帰属する当期純利益は71.3%減の5000万円を予想する。

売り上げは、連結を解消したエクシードシステムズ社の売り上げ7億円の減少により減収見込み。利益は人材育成にかかわる投資を強化することもあり減益の見込み。

区別売り上げは、スキンケアが20.8%増の18億9400万円、ヘアケアが5.0%増の28億6200万円、その他が81.1%減の1億7400万円の見通しだ。オン来決算説明会において、中村豊会長兼社長は、「美のコンサル、経営のコンサルができる人材を育成していく」と意気込みを語った。

なお、今期からアジュバンコスメジャパン、アジュバン香港、2C(新設する通信販売会社)を傘下に収めるアジュバンホールディングスへと体制を移行する。2Cはこれまでの研究成果を最大限に活用し、育毛剤市場での新事業領域に進出する。男性用育毛剤の商品開発が中心となる。21年夏ごろから本格的な営業をスタートすることもあり、業績への影響は軽微だ。