ロート製薬の21年3月期の第3四半期の連結業績は、売上高が前年同期比6.2%減の1296億1100万円、営業利益が5.9%減の170億6200万円、経常利益が3.6%減の174億2600万円、純利益が11.8%減の110億8300万円と、減収減益だった。

売り上げは、新型コロナによるマスク着用によるリップクリームの使用頻度減、海外のロックダウンなどが響いた。利益面は、新型コロナウイルスの影響による減収に加え、医療用医薬品開発に向けて研究開発費が増加したことなどにより営業利益が減少した。

地域別売上高を見ると、日本は3.8%減の836億7100万円。マスク着用の常態化によってリップクリームなどが減収になった事に加え、インバウンド需要の消失が大きく影響を与えた。一方で、メラノCCやデオコは引き続き好調に推移しており、和漢箋やロートV5粒も増収。また、日本点眼研究所の業績も好調であった。

アメリカの売上高は11.7%減58億5200万円。こちらも新型コロナの影響で目薬やリップクリームが減収となったものの、メンソレータム軟膏は好調。営業利益については、減収となったものの販売費および一般販管費の削減により267.1%増の1億7000万となり、大きく増加した。

ヨーロッパでは、売上高が12.6%減の59億4200万円で、主力の消炎鎮痛剤や化粧品が減収となったのが主な要因だ。営業利益は販促費および広告宣伝費を効率化した結果、134.9%増の4億7900万円となった。

アジアの売上高は9.6%減の328億7700万円。新型コロナの影響を効果的にコントロールした台湾などは従来通りの経済活動へと復帰してきている他、ニキビ関連アイテム、日やけ止め、ハダラボなどが好調のインドネシアでは同15.6%増となるなど、ASEAN諸国が堅調に推移した。一方で主力の中国、香港が減収減益。中国本土においては、上半期は大きく落ち込んだものの、下半期以降は目薬や50の恵などスキンケア関連が回復傾向となっているものの、カバーしきれなかった。

通期業績予想については概ね計画通りに推移しているとして5月発表時のものもから変更はなく、売上高が2.8%減の1830億円、営業利益が5.6%減の218億円、経常利益が2.8%減の221億円、当期純利益が9.2%減の140億円としている。