ロート製薬は、5月31日に都内で行われた「世界禁煙デー記念イベント」(厚生労働省主催)で社内で取り組む“禁煙や受動喫煙対策”を紹介した。

イベント当日は世界保健機関(WHO)が定める世界禁煙デー。日本では、厚労省が世界禁煙デーから一週間(5月31日~6月6日)を「禁煙週間」と定め、対策や普及を行っている。また、同省は2011年から、食事、運動、健診、禁煙の四つの柱で国民の健康増進を目指す「スマート・ライフ・プロジェクト」を実施しており、今回のイベントはその一環として行われた。

イベントでは、ロート製薬の山田邦雄代表取締役会長兼社長と、すかいらーくホールディングスの谷真代表取締役会長兼社長が登壇し、社内で行っている禁煙の取り組みを説明した。ロート製薬の山田会長は「美と健康に奉仕する企業として、社内での禁煙活動は20年ほど前から進めてきた」と述べ、喫煙率が減り続けていることを示した。ただし14年ごろから、喫煙率十数%で停滞していた。

そこで17年に、「20年までに従業員全員が卒煙し、喫煙率ゼロにする」(山田会長)目標を掲げた。卒煙の意志が強い従業員には積極的に支援したり、卒煙成功者に社員食堂などで使える社内通貨を支給するなど、さまざま取り組みを実施。その結果、今年4月には7.7%にまで喫煙率を下げることに成功した。とはいえ、まだ約140人(全社員1787人)の喫煙者がおり、喫煙者ゼロへの道は容易ではない。山田会長は、「公の場で喫煙者ゼロ宣言をした以上、確実に実現してきたい」と強調した。

ロート製薬の山田邦雄代表取締役会長兼社長

また、すかいらーくは、同社が展開するファミリーレストラン3209全店を今年9月に全面禁煙にする。その理由をすかいらーくの谷会長は、「来店客に多い家族連れはもちろん、従業員の約3割を占める未成年らを受動喫煙から守るため」としている。

すかいらーくの谷真代表取締役会長兼社長

なお、全国的には、18年7月に成立した改正健康増進法の施工により、今年7月から学校、病院、児童福祉施設等、行政機関が原則敷地内を禁煙となる。20年4月からは、それ以外の施設等も原則屋内禁煙となり、屋内の喫煙には喫煙室の設置が必要になる。こうした流れから、厚労省は今年の禁煙週間のテーマを「2020年、受動喫煙のない社会を目指して~たばこの煙から子ども達を守ろう~」とし、禁煙や受動喫煙対策の普及啓発を積極的に行っていく。

イベント終盤には、お笑いコンビ「バイきんぐ」の小峠英二(非喫煙者)が真っ赤な全身タイツ姿で登場。体を使って禁煙マークをつくり、会場を盛り上げた。

  小峠英二