ロート製薬の2020年3月期決算は、売上高が前期比2.6%増の1883億2700万円、営業利益が同10.9%増の230億8500万円、経常利益が同19.8%増227億3500万円、純利益は同57.3%増の154億1000万円の増収増益となった。

前期は塩野義製薬からのライセンス契約一時金収入があったが、今期は高付加価値商品が好調であったことに加え医薬品開発・製造受託子会社が増収に寄与。海外においても、香港でのデモに加え新型コロナウイルスの流行の影響があったもののベトナムやマレーシアなどASEAN諸国が好調に推移しカバーした。利益面では、売上が好調に推移したことや販売費及び一般管理費の効率的活用が奏功した。

地域別売上高を見ると、日本が3.2%増の1157億6700万円と伸長。主力のアイケア関連品は、高機能眼科用薬「Vロートアクティブプレミアム」などの高付加価値商品が堅調なことに加え、新製品の花粉関連品「ロートアルガードクリニカルショット」も順調だった。しかし、前期に美少女戦士セーラームーンとのコラボレーションを実施した「ロートリセ」シリーズの反動減の影響もあり、アイケア関連品全体としては伸び悩んだ。一方、スキンケア関連品では、美容液「オバジC25セラム ネオ」やハンドクリーム「オーラザハンド」、さらにSNSで話題となった「デオコ」が好調となった。その他、ヨーロッパが2.2%増の87億4000億、アジアが2.5%増の529億7100万円と伸長した。

一方で、アメリカ経済が個人消費の堅調な推移により緩やかな回復基調にあるものの、目薬の競争激化により売り上げが伸び悩み、1.8%減の91億2100万円、その他の地域も9.3%減の17億2600万円となった。

製品別では、アイケア関連が1.5%増で400億400万円、スキンケア関連が2.2%増の1200億7200万円、内服関連が10.8%増の224億3600万円、その他が9.5%減の58億1300万円。

新型コロナウイルスによる感染症の拡大のため、先行きは不透明であるとしながらも、同社は今後もニーズの変化に的確に対応した新製品、新ブランドの創出と、幅広い企業との連携を図るなどさまざまな革新に挑戦していくとしている。21年3月期の連結業績予想は2.8%減の1830億円、営業利益が5.6%減の218億円、経常利益は2.8%減の221億円、純利益は9.2%減の140億円を計画している。