ロート製薬の2023年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比21.2%増の1103億1300万円、営業利益が18.3%増の162億6900万円、経常利益が33.1%増の179億6300万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は19.7%増の131億9200万円の増収増益となった。

国内においては、経済活動の再開により消費マインドが回復したことに加え、消費者ニーズに合った商品提案により想定を上回る増収となった。海外においても、原材料価格の高騰があったものの、経済活動の回復や為替変動などにより増収となった。利益面についても、大幅な増収となったことに加え、販売費および一般管理費の効率的活用に努めた結果、すべての利益段階で大幅な増益となった。

地域別業績を見ると、日本が15.2%増の655億7600万円と伸長した。新発売の酵素洗顔が好調の「メラノCC」や、日やけ止めに新機能を付加した「スキンアクア」「肌ラボ」「オバジ」「ロートV5粒」が引き続き好調に推移。マスク着用習慣により伸び悩んでいたリップクリームも回復に転じ、新型コロナウイルス抗原迅速検査キットも増収に寄与した。国内グループ会社においても、ロートニッテンや2021年8月に子会社化した「ボラギノール」を主力商品とする天藤製薬も増収に寄与した。セグメント利益は、大幅な増収と販管費の効率的活用により、11.7%増の104億2800万円と大幅増益。

アメリカは90.0%増の76億4900万円と大幅に伸長。2021年10月に子会社化した医療用消毒薬等を製造・販売するハイドロックス・ラボラトリーズ社が増収に大きく貢献した。セグメント利益は、原材料の調達コストや人手不足による労務費上昇に加え、ハイドロックス・ラボラトリーズ社の顧客関連資産やのれん等償却の影響により34.6%減の9600万円と減益だった。

ヨーロッパも22.9%増の62億3100万円と大幅な増収となった。主力の消炎鎮痛剤が引き続き好調に推移したほか、「Hadalabo Tokyo」も英国市場から中東主要国への展開を始めたことにより好調に推移した。また、2021年5月にCEマークを取得し発売したドライアイ点眼剤である「ロートドライエイド」により、目薬市場の開拓を引き続き進める。セグメント利益は、エネルギーコストや原材料の調達コスト増加が上昇したものの、販売管理費の効率的活用により、54.7%増の5億9600万円の大幅増益となった。

アジアも23.3%増の296億7300万円と大幅な伸長。中国では6月までゼロコロナ政策による大規模なロックダウンが行われたものの、為替の影響により増収となった。台湾もコロナ禍からの経済回復を見せて増収に転じた。また、マレーシアが高成長を見せており、ベトナム、インドネシアなどの東南アジアが好調に推移している。製品別では、目薬が香港、東南アジアで好調に推移した。中国、香港、台湾で販売している男性用化粧品は、新製品の発売もあり増収となった。また、「50の恵」が香港や中国で増収に寄与した。セグメント利益は、売り上げが好調だったことにより、38.1%増の49億6500万円と大幅な増益となった。

製品別では、アイケア関連が9.0%増で213億7800万円、スキンケア関連が27.5%増の713億4100万円、内服関連が8.4%増の135億1200万円、その他が35.5%増の40億8100万円。

23年3月期通期業績予想は、物価高や原材料費の高騰、主にアジア子会社における円安進行による為替換算の影響を加味し、22年8月9日に公表した連結業績予想を上方修正。売上高は2.2%増の2300億円(前回予想比50億円増)、営業利益が3.3%増の310億円(同10億円増)、経常利益は3.2%増の320億円(同10億円増)、純利益は2.3%増の220億円(同5億円増)を計画している。