日本色材工業研究所の2021年2月期通期業績は、売上高は前年比25.1%減の91億4300万円と大幅な減収。利益は営業利益8億3100万円、経常利益が5億8800万円、親会社株主に帰属する当期純利益は8億4300万円のそれぞれ欠損となった。リップを中心としたメイク需要が戻らないことに加え、インバウンド・アウトバウンド需要を見込んだ設備投資によるコストが利益を圧迫し大幅な赤字の計上を余儀なくされた。

売上高は、フランス連結子会社テプニエの売上高ほぼ横ばいを保ったものの、新型コロナウイルス感染症対策としての外出自粛やマスク着用の常態化によるメイクアップ化粧品の消費需要の減少、訪日外国人旅行者によるインバウンド需要の激減、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大による海外向け製品受注の減少、新製品企画の先送りといった大きく四つの影響が大きかった。

利益面では、売上高の大幅減少に加え、つくば工場第3期拡張工事竣工に伴う諸費用の増加が圧迫要因となった。

所在地別売り上げは、日本は新型コロナウイルス感染症の拡大で国内外の化粧品需要が急速に減少したことで、国内・海外化粧品メーカー各社からの受注が減少。売上高は31.3%減の68億4200万円。利益は、売上高の大幅減少に加え、つくば工場第3期拡張工事竣工に伴う諸費用の増加等により、9億6400万円の欠損となった。フランスは、欧州が新型コロナウイルス感染症拡大の影響で景気が低迷するなかで、テプニエも一時期化粧品製造ラインの操業休止を余儀なくされたが、受注と生産とも堅調で、売上高は0.4%減の23億7200万円とほぼ横ばいを確保。利益面では、設備投資に伴う諸費用の増加等により、営業利益は11.7%減の1億2300万円だった。

22年2月期通期業績予想は、売上高は1.5%増の92億7600万円と増収の見込み。利益は引き続き欠損を見込むが、営業利益は4800万円、経常利益が1800万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1億100万円と、赤字幅は縮小する見通しだ。