花王は、このたび、「ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DE&I)方針」を新たに策定し、ウェブサイトで公開した。

花王は企業理念「花王ウェイ」のなかで、「正道を歩む」ことを、「基本となる価値観」として位置付けている。その考え方に基づき、これまでも企業活動全体を通じて、人権や社員の多様性を尊重してきた。今回の新たな方針の策定に伴い、さまざまな事業を展開していることで得られる多くの機会を活用しながら、社員、ビジネスパートナー、生活者を含む社会といった、各ステークホルダーと共に、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DE&I)の実践を促進し、社会と事業のさらなる発展をめざしていく考えだ。

花王は「豊かな共生世界の実現」をパーパスとし、1887 年の創業以来、生活者の幸せを考え、暮らしをこころ豊かなものにするための提案を続けている。その根底には「人」があり、「人」こそが花王の企業活動の源泉である。

企業理念「花王ウェイ」では、すべての人に敬意、公平さ、共感をもって接し、使命感を抱いて誠実に取り組む重要性を、「基本となる価値観」である「正道を歩む」として位置づけている。2021年には、さまざまな社会課題に直面している転換期において、企業の果たすべき責任と役割を改めて考え、「花王ウェイ」の内容を刷新。ESG視点を強化ポイントのひとつとし、「行動原則」の中に、「個の尊重と力の結集」を掲げ、DE&Iの考え方を反映させている。

また、「花王ウェイ」を実践するための行動規範である「花王 ビジネス コンダクト ガイドライン」では、すべての取引を公正・誠実・適正に行うこと、企業活動全体を通じて人権を尊重すること、社員の多様性を尊重することをうたっている。

さらに、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、15年に制定した「花王人権方針」においても、国際人権章典などの人権に関する国際的な規範を尊重すること、人権デュー・ディリジェンスや社員の教育を実施し、企業活動全体において人権尊重の責任を果たす努力をすることを社会に対し宣言している。

このように、「正道を歩む」価値観のもと、花王では一人一人が活躍できる環境を整え、社内外でインクルーシブな文化を確立するための取り組みを行ってきた。

同社は、産業界のニーズにきめ細かく対応した製品を幅広く展開するケミカル事業から、ハイジーン&リビングケア、ヘルス&ビューティケア、ライフケア、化粧品の四つの事業からなる生活者に向けたコンシューマープロダクツ事業まで、さまざまな事業において製品・サービスを展開している。新たなDE&I方針では、このような広い事業領域によって得られる多くの機会を活かし、社員、ビジネスパートナー、生活者を含む社会のステークホルダーと共に、ブランド、製品・サービスなどすべての企業活動において、DE&Iを実践していく。

これまで同様に、「正道を歩む」価値観のもと人権の尊重を基盤としながら、改めて花王におけるDE&Iを定義し実践することで、多様な人々の個性や価値観をさらに活かし、人々の期待を超える、よりよい生活を実現する企業となることをめざすとともに、パーパスである「豊かな共生世界の実現」を推進する。

詳細は、以下の通り。

◆社員のダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン

目標

  1. 2030年までに女性管理職比率が全女性比率と同じ
  2. 2030年までに社員エンゲージメント調査における「Inclusiveな組織風土」に関する設問の肯定回答率が75%

主な取り組み

  1. 女性活躍推進の取り組み
  2. 障がいのある社員の活躍推進に関する取り組み
  3. LGBTQ+社員の活躍推進の取り組み
  4. インクルーシブな組織風土醸成

 

◆ビジネスパートナーとのダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン

目標

  1. 2025年までにサプライヤーにおいてSedex回答100%完了
  2. 2025年までに小規模パーム農園までのトレーサビリティを100%完了
  3. 2025年までに花王グループで使用するパーム油をRSPO認証油に100%切り替えをめざす
  4. 2021年~2030年インドネシア独立小規模パーム農園(約5,000農園/18,000ヘクタール)の支援実施
  5. 2022年~インドネシア独立小規模パーム農園に対して、グリーバンスメカニズムを導入

主な取り組み

  1. 責任ある原材料調達
  2. お取引先に求めるパートナーシップ要件に基づくサプライヤー総合評価
  3. インドネシア小規模パーム農園支援「SMILE」プログラム
  4. グリーバンスメカニズムの導入

 

◆社会のダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン

目標

  1. 2030年までにすべての新製品と改良品が花王ユニバーサルデザインガイドラインに適合している

主な取り組み

  1. ユニバーサルプロダクトデザイン
  2. シャンプーのきざみに込められた思い
  3. ミライロとの協働