「大きな変化が期待できる」と機関投資家が心を躍らせたのは、8年半ぶりの花王の社長交代だ。2021年1月1日付で澤田道隆社長は取締役会長に就き、後任として長谷部佳宏専務執行役員が昇格する。社長選任は、専任審査委員会(社外取締役と社外監査役の7人)が1年かけて議論し、決定したもので、選任理由は、研究開発でのリーダーシップ力、技術革新をベースにした先端技術の活用、企業理念「花王ウェイ」に基づく対応の三つである。澤田社長と同じく研究畑の出身の長谷部専務は、花王が持つ技術力を生かし、新製品開発や海外事業の拡大、新規事業の開拓を進めていく。9月に開いた社長交代会見において、長谷部専務は次のように話した。

「花王は多くの物質とエネルギーを使い、廃棄物を生み出してきましたが、今後は消費しにくいモノづくりに舵を切らなければいけません。数と量の経済から質と絆の経済へシフトする転換点です」

新規事業拡大への期待が高まる(長谷部佳宏専務)

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