新年明けましておめでとうございます。

今年の干支は「癸卯(みずのと・う)」です。「癸」は春の間近でつぼみが花開く直前、という意味があり、「卯」には、冬の門が開き、飛び出る、という意味があります。「2023 年は、これまで積み重ねてきた努力が花開き、いよいよ実り始める1 年」ということです。

今までファンケルは勇気を持って、変化することを続けてきました。ファンケルらしいOMOなど新たな取り組みを続け、結果が出ないこともありましたが、コロナ前と比べて相当力を付けてきたと思います。今年はファンケルにとって、この先の10 年を左右する重要な「転換点」となる年だと捉えています。

注力する3 つのポイント

「既存事業の改革と成長、新たな成長領域への挑戦、人材への投資と育成・活躍推進」

一つ目は「既存事業の改革と成長」です。

「既存事業の改革と成長」のためには、「商品育成」と「お客様との継続的な関係強化」に注力します。特に広告宣伝と通販との連携を強化し、お客様とのつながりを深めていきます。そして、各チャネルの特長を生かした商品育成を実行していきましょう。昨年前半は、ほぼゼロだった直営店舗でのインバウンドによる売上は、少しずつ戻ってきています。今年はさらに増えるでしょう。東南アジアなどからのインバウンドも意識して、まずは情報発信からやっていきましょう。将来の海外事業にもつながっていきます。

二つ目は「新たな成長領域への挑戦」です。

まずは、これからの「海外展開」です。国を越えた人流も回復の兆しがあり、海外からのビジネスや観光の渡航者も増加しています。これからのグローバル展開は、今までのやり方に捉われず、広く海外マーケットへの展開を見据えていきます。ビジネスチャンスの発掘のために、イスラム市場、タイ、ベトナム、インドへの海外赴任も始まりました。次に、「新規事業」です。新しいことに関わっている皆さんは、ぜひ自分の取り組みをどんどんアピールしてください。創業者になったつもりで、スピード感を持って推進してください。そして、周りの皆さんはしっかり応援をお願いします。

最後は「人材への投資と育成・活躍推進」です。

私たちが「ファンケルらしく」在り続けるためには、ファンケルグループに多くの「未来の変化に対応できる力を持つ人」がいることが大事です。未来の課題に対処できる覚悟と経験を持つ人材を育てていくことが最も大事であり、私の使命だと決意を新たにしています。昨年来強化してきた人材投資は、今年もさらに強化します。まず、次期経営層の育成も計画的に進めます。またグローバル、デジタル、マーケティングなどの教育機会を継続的に強化します。

2023 年は「ファンケルらしいダイバーシティ&インクルージョン」も一層推進していきます。「ファンケルらしいダイバーシティ&インクルージョン」とは、年齢や性別、障がいのある人もない人も、グローバル人材も、それぞれが活躍を実感でき、ファンケルの理念へ共感し、それを実現したいと集まった多様な人たちが互いに認め合い、価値を創造していくことです。

昨年は、女性のより一層の活躍推進やアンコンシャスバイアスなどの理解促進に注力しました。今年はジェンダーだけでなく、「ジェネレーション」も強く意識して、ダイバーシティ&インクルージョンを推進していきます。人生100 年時代、70 歳までイキイキと活躍し続けることが求められる時代です。リスキリングや自身のキャリア形成のための研修にも注力し、キャリアを長く積んだ人たちにも新しい知識や経験、活躍の幅を広げられるように後押しします。

最後に、第3期中計最終年度「前進2023」~逆境を超えて未来へ~の最終年度に向けて

今年一年は、現中計最終年度として結果を出すだけでなく、次の中計や2030 年につながるものでなければなりません。ファンケルの未来を私たちが切り拓けるのか試されている年です。私たちの真価が問われる、勝負の年とも言えます。みんなで価値観を合わせ、全部門、全階層で連携し合ってファンケルグループの明るい未来へつなげていきます。

島田和幸(ファンケル代表取締役社長執行役員 CEO)