新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

また、新型コロナウイルス感染症が世界で一進一退を繰り返している中、罹患されている方々や、困難な状況におられる皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

昨年、当社は創業150周年という節目の年を迎え、まさに次の150年に向かって新たなスタートを切りました。クイーンズ駅伝では、資生堂ランニングクラブが素晴らしいチームワークを発揮し、「夢は、それに向かって努力すれば必ず叶う」ことを示してくれました。大会新記録を出して優勝し、チーム一丸で必死に努力を重ねてくれたことに心より感謝と敬意を表します。

当社は、「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」を目指し、中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」のもと、スキンビューティーカンパニーとしての基盤を構築して高収益構造へ転換していくため、事業ポートフォリオの再構築や、資生堂ならではの“メイドバイジャパン”の製品をグローバルに安定的に提供する研究開発力の拡充、生産体制の整備などを力強く進めてきました。さらに、新型コロナウイルス感染症や不安定な世界情勢など不透明な状況が続くなかでも、中長期の成長を確実なものにするためブランド価値と人財資本に戦略的追加投資を行っています。インナービューティーやホリスティック領域など、変化するお客さまを捉えたイノベーションも強化し、2030年に向けたビジョン「PERSONAL BEAUTY WELLNESS COMPANY(パーソナルビューティーウェルネスカンパニー)」に向けて、美の力を通じて「人々が幸福を実感できる」サステナブルな社会の実現を目指してまいります。

2023年は、当社にとって大きな事業基盤である日本市場の回復が不可欠です。全社員が「お客さま起点」に徹底的に立ち返り、お店さまと一緒にお客さま満足を生むイノベーションを起こし続けると同時に、ブランド育成や店頭活動に必要なマーケティング投資を強化してまいります。

特に専門店事業において、2023年は「チェインストア制度100周年」を迎えます。これまで化粧品業界を一緒に支え合い、歩みを共にさせていただいてきた専門店さまに心より感謝申し上げるとともに、皆さまとより強固に手を取り合い、明るい未来を創り上げる1年にしたいと考えております。専門店さまの最大の強みである“人”の力と、パーソナルな応対をサポートするデジタルの双方を活かし、トータルビューティーブランドとして進化を遂げた化粧品専門店専用ブランド「ベネフィーク」を中心としながら、ホリスティック領域を含めた美容提案を通じたお客さま一人ひとりの健康美を実現する「生涯顧客づくり」により一層注力します。

本年は、“新たな始まり”151年目のスタートです。「守り」から「攻め」に転じる躍動の年としていきます。企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」のもと、私たちの本業を通じてよりよい世界を実現したいという強い信念を胸に、それに向かって努力し、挑み続けます。2023年1月1日付で、私が代表取締役会長CEO(Chief Executive Officer)、昨年まで中国地域本社の責任者をしていた藤原憲太郎が社長COO(Chief Operating Officer)に就任しました。今後2年間、2人3脚で併走することにより、経営体制を一層強化します。新体制のもと、全社員がさらに一丸となって、世界中のお客さま、お得意先さま、株主などすべてのステークホルダーの期待に応えていきます。

本年も皆さまのご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。新年にあたり皆さまのご多幸とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。

魚谷雅彦(資生堂 代表取締役会長CEO)