資生堂は2月4日「世界対がんデー」に先駆け、世界9エリアで合計1350名のがん罹患経験者を対象に意識調査を実施した。本調査は2021年に3か国(中国、ドイツ、日本)で実施したが、今回初めて8か国9エリアまで規模と対象者数を拡大した。その結果、回答を得られた対象者の9割以上が、何らかの外見や肌状態の変化を体験し、そのことにより84.9%が気持ちが落ち込んだ、物事に消極的になったなど、気持ちや行動に影響を与えることがわかった。資生堂は、がんサバイバーに向けた取り組みのグローバル展開の加速に向け、この結果を活用していく。

《調査概要》
● 実施概要:がん治療に伴う外見変化に関する意識、及び実態などについての調査
● 実施エリア:アメリカ、中国(上海・四川省)、ドイツ、フランス、日本、シンガポール、タイ、ベトナム
● 調査対象者:男女がんサバイバー(がん罹患経験がある20-50代)
● 有効回答者数:各国/地域 男性n=50×9エリア(450人)、女性n=100×9エリア(900人) 合計1350人
● 調査期間:2022年5月12日~6月16日
● 調査方法:インターネット調査

《サマリー(数値は男女合計。*は複数回答)》
● がん罹患経験者の9割以上(93.9%:男性94.7%、女性93.4%*)が、何らかの外見や肌状態の変化を体験し、そのための外見ケアの必要性を80.9%の人が感じている

● 体験した変化で顕著なものは、頭髪の脱毛が59.3%、肌の色変化が43.9%、続いて、眉の脱毛(31.9%)、まつ毛の脱毛(26.1%)となった
● 肌の色の変化は、40.3%が黒ずみ、30.3%が茶色、29.3%が青くすみ、26.2%がしみが濃くなったと回答し、また、79.1%が、ファンデーションでカバーするなどの外見ケアを行っている

● 外見変化により、38.7%が日常生活の不安を訴え、気持ちが落ち込んだ、物事に消極的になった(29.6%)、治療に後ろ向きになった(19.9%)など気持ちと行動への影響が確認された
● 外見変化に関する相談相手の上位は医療従事者で、医師66.7%、看護師37.5%、家族は29.1%となり、がん患者への外見ケアの支援には医療従事者からの情報提供の重要性が示された
● 外見ケアに関する情報の入手方法は、71.0%が誰かに相談、62.3%がインターネット(SNS含む)と回答した
● 日本では他エリアと比較して、外見変化が現れたときに外見ケアを相談しにくい傾向が見られ、患者の人々が外見についての悩みを周囲の人に相談しやすくなるよう社会的環境づくりが必要なことがわかった