ファンケルの2023年3月期第2四半期連結業績は、売上高は前年同期比1.5%増の506億3900万円、営業利益は同35.2%減の33億5000万円、経常利益は同24.9%減の41億7600万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同34.8%減の26億5400万円。戦略的な広告投資により、主力の化粧品関連事業、栄養補助食品関連事業が増収をけん引したが、広告宣伝費を積極的に使用したことなどにより、増収減益となった。

セグメント別売上高をみると、化粧品関連事業は同1.6%増の286億9400万円。ファンケルでは「基礎スキンケア」「クレンジング」「洗顔」にマーケティング投資を集中し、顧客基盤を拡大。「エンリッチプラス」「マイルドクレンジング オイル」などが堅調に推移したことに加え、新発売した「泥ジェル洗顔」が売り上げに寄与し、3.1%増の209億500万円と堅調だった。

一方アテニアは、外部通販を成長チャネルとして育成強化。ファンケルの通販システムやフルフィルメントの強みを生かした収益性の高い「公式店」で出店することにより、上期の外部通販売り上げは前年同期比2.1倍となったものの、海外が中国のロックダウンの影響で減収だったことなどにより、アテニア全体では同3.7%減の67億4400万円と苦戦した。

boscia(ボウシャ)は、リアル店舗向けの卸販売が振るわず、同24.6%減の3億9800万円となった。

販売チャネル別では、通信販売は152億6900万円(同4.7%増)、店舗販売は57億6200万円(同5.7%減)、卸販売他は49億8000万円(同24.6%増)、海外は26億8200万円(同24.4%減)となった。

もう一つの柱である健康食品は、スター製品にマーケティング投資を集中し効果的に売り上げ拡大を図ったことで、「内脂サポート」が好調に推移。また、前期下期に発売した「睡眠&疲労感ケア」も貢献し、売上高は同2.2%増の188億6600万円。販売チャネル別では、通信販売は87億9400万円(同5.0%増)、店舗販売は27億5100万円(同15.7%減)、卸販売他は55億8100万円(同19.3%増)、海外は17億3800万円(同18.8%減)となった。

ファンケルは、これらの業績動向等を踏まえ、22年8月5日の決算発表時に公表した23年3月期通期の業績予想を変更。国内事業においては、広告投資を強化したことにより通信販売および卸販売が好調に推移した一方で、店舗販売は新型コロナウイルス感染症の影響などにより、上期未達。こうした国内事業の未達分に加え、海外事業において現地販売代理店の在庫調整が想定以上に長引いていることや、bosciaブランドの苦戦などにより、売上高は19億円減の1075億円(前年比3.4%増)、営業利益は6億円減の98億円(同0.3%増)、経常利益は3億2000万円減の106億8000万円(同2.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億円減の69億5000万円 (同6.4%減)と下方修正した。