ファンケルは10月20日、朝の疲労感と睡眠の質に関する調査の結果などを発表する「朝バテ」セミナーを開催した。
同社は、サプリメントのリーディングカンパニーとして、社会環境とともに刻々と変わる健康面の新たな課題に取り組んでいる。そのニーズをいち早く掴むため、毎年生活者に対して健康ニーズ調査を実施しているが、その結果、どの年代においても「疲れ」が常に上位に位置することがわかった。同社健康食品事業本部健康食品商品企画部長の向山嘉一氏は「実際、疲労対策サプリメント・医薬品などの市場は約4500億規模のビッグマーケットで、『疲れ』は、大きな健康悩みだといえる」と説明。こうした現状を受け、ファンケルは全国の20~50代の有職者1000人を対象に、朝の疲労感と睡眠の質に関する意識調査を実施、その結果を「朝バテ」セミナーとして発表した。
同セミナーにおいて、向山部長は、働いている人の大多数が日常的に疲労を感じているだけでなく、約58%と半数以上の人が起きた瞬間から疲労を感じる「朝バテ」状態であると解説。また同調査によってそのうちの64.4%が1年以上前から、56.8%がほぼ毎日朝バテを感じており、慢性的な悩みであることがわかった。この原因として、ファンケルは朝バテを感じている人は、そうでない人に比べて睡眠の質に満足していないことに着目。疲労感と睡眠へダブルでアプローチするサプリメントとして、セミナー開催同日から機能性表示食品「睡眠&疲労感ケア」(30日分・3240円)を発売すると発表した。
同商品は、機能性関与成分として、しじみなどに含まれるアミノ酸の一種で睡眠の質の向上が期待できるオルニチンと、クチナシの実などに含まれる抗酸化成分起床時の疲労感の軽減が期待できるクロセチンを配合。現代人の元気な一日をサポートする。事前に商品を使用したモニターからは、満足度・継続意向ともに80%を超える高評価となっている。
セミナーでは、朝バテについて東京疲労睡眠クリニックの梶本修身院長が「睡眠と疲労の関係、朝バテの実態について」のテーマで講演。睡眠の目的は前日の疲れを取ることだが、脳の休養と神経細胞の修復、脳の老廃物の清掃、メンテナンス、記憶の整理と定着、ホルモンバランスの調整、免疫力の向上など、さまざまな重要な役割を果たしていると解説した上で、睡眠は時間より質が大切であると強調。睡眠の質が悪化する要因として加齢のほかに生活習慣や寝室環境、ストレスなどを挙げ、コロナ禍で睡眠の質が悪化していると説明した。「ストレスが増えることで、概日リズムが不規則になる。これを戻してあげることが重要」(梶本院長)であり、同商品はこうした悩みの一助になるものである。向山部長は「カロリミット、えんきん、内脂サポートといったスター製品に次いで、今後当社を代表するスター製品として成長させるべく、直営チャネルを中心に販売していく」と意気込みを語った。
月刊『国際商業』2021年12月号掲載