ファンケルは、大阪府門真市に新たに設立した「ファンケル 関西物流センター」の稼働を6月8日から開始する。投資額は約40億円。4階建て、延床面積は1万7051平方メートル。これに先立ち、6月3日には開所式が行われた。

開所式で行われたテープカット

同センターの稼働により、出荷量が現在の3.4万件/日から5.0万件/日と能力が約1.4倍向上するほか、「関東物流センター」から通信販売、直営店舗に出荷する「ファンケル」の荷物量約35%と、グループ会社「アテニア」の全製品を出荷することになる。

また、九州や四国、中国エリアの翌日配送が実現し、配送費は年間約2.3億円削減する見込みだ。そのほか、「パレット自動倉庫」や「ケース自動倉庫」などを導入して、入荷や保管、補充作業人員を約65%削減(関東物流センター比)。製品の搬送ラインでは「ピッキングロボット」などを導入して自動化を進め、作業人員を約40%削減した(同)。さらに屋上全面にファンケルグループで最大規模となる太陽光パネルを設置。これにより、関西物流センターで使用する電力の約16%をまかなうことができる。

開所式であいさつに立った、島田和幸社長は次のように述べた。

「関西物流センターは、今後の国内外での持続的な成長を見据え、省人・省力化を実現する、最新鋭の物流設備を導入したセンターです。本日いよいよ、開所の日を迎えることができました。当物流センターは、ファンケルの西日本エリアの通販・店舗の出荷業務と、アテニアのメインセンターとして、アテニア全ての出荷業務を担います。44億円規模の大規模投資で、当社の未来の成長を支える基盤づくりは完了しました。屋上全面には太陽光パネルを設置し、環境にも配慮しています。特例子会社『ファンケルスマイル』の分室も新設し、新たに障がい者20名を採用しました。多様な人材が活躍するダイバーシティ物流センターでもあります。物流施設としてはめずらしい『見学者通路』も設置し、開かれた物流センターとして、ブランドを発信する重要な拠点にもなります。コロナ禍では、世の中に新たな『不』がいくつも生まれました。今後も、当社は世の中の『不』の解消を使命とし、コロナを超え、一歩ずつ前進を果たしていきます。今後のファンケルグループにぜひご期待下さい」

開所式であいさつに立った島田和幸社長

月刊『国際商業』2021年08月号掲載