JelliCollagen

美容成分であるコラーゲンの新たな選択肢が登場した。海月研究所が開発したコラーゲン「JelliCollagen®(ジェリコラーゲン)」がそれだ。同成分は世界でもまれなクラゲ由来のコラーゲンで、機能性の高さが特徴だ。クラゲの99%は水分から成る。その水分を体内に蓄えることができるのは含有するコラーゲンによるところが大きいが、その構成比はわずか0.1%に過ぎない。つまり「JelliCollagen®」を少量添加するだけで高い保水機能を発揮できるというわけだ。

そのほかにも既存のコラーゲンにないさまざまな特徴を持つ。一つは、単一で肌を守ることと強めることの二つの側面を持つことだ。一般的なコラーゲンに比べて肌への吸着パワーが高いため、肌表面でうるおいベールをつくり高いバリア機能を発揮する。加えて、切断されても再生するクラゲの持つ再生力により肌を強くすることも期待できる。

また、安全面、コスト面で、一般的なウシ・ブタなどの脊椎動物由来のコラーゲンの代替として期待される原料だ。牛海綿状脳症(BSE)が発生したときにウシ由来のコラーゲンは発生地域からの輸入が禁止されたこともあるように、脊椎動物由来のコラーゲンでは感染症リスクが懸念される。「JelliCollagen®」は、感染症とは無縁のクラゲを粗原料としているため、より安全性に優れた製品開発が可能だ。

環境問題の解決といった視点では、現在重視され始めているESGの考え方にもかなう原料と言っていい。「JelliCollagen®」の開発の端緒になったのは、2000年代にエチゼンクラゲの大量発生により漁業関係者が頭を抱えていたこと。その解決策として、単純に廃棄するのではなく、何らかの原料として活用する道を探ったのがそのスタートだ。欧米では、若年層を中心に、環境意識の高まりを背景に、化粧品に使われている原料を見て購買を判断する風潮も高まっている。「JelliCollagen®」を採用することで、商品の背景にあるストーリーを伝え、信頼を勝ち取ることも可能になろう。

感染リスクの低減、環境に寄り添った粗原料の活用といった点ではクリーンビューティーにも貢献できる素材と言える。

完全国内生産という点も採用するメリットが大きい。「JelliCollagen®」の粗原料は国内近海で採集されるビゼンクラゲ、ミズクラゲなどで、調達から製造まで100%国内産となっている点で安定した調達が見込める。粗原料の調達から製造まで、食品レベルの安全管理も一貫して行っている。安定供給といった面でも一気通貫して国内調達ができるというメリットは大きい。コロナ禍で輸入原料の納品が遅延しているが、地政学的なリスクも含め、原料調達を輸入だけに頼っていることのリスクは拭い切れない。完全国内生産という点はメーカー、OEMにとって生産計画策定の面からも取り扱いやすいのではないだろうか。

既存のコラーゲンにない機能性を併せ持つ「JelliCollagen®」。次世代型コラーゲンの同成分に期待は高まる。