ミルボンの2020年12月期業績は、売上高が前年同期比1.5%減の357億2500万円、営業利益が5.3%減の63億9400万円、経常利益が7.1%減の57億9100万円、親会社株主に帰属する当期純利益は6.9%減の42億400万円と減収減益だった。

国内外で新型コロナウイルス感染症が拡大。上期は第1波で各国がロックダウンや緊急事態宣言が発令されたことで、ミルボンの展開エリアのサロンが休業や時短営業に追い込まれた影響もあり大きな影響を受けた。ただ、新型コロナ禍で社員一丸となってミルボンイズム、ミルボンウェイをベースに変化を先取りした様々な打開策をスピーディに展開して対応したことが奏功し、下期に入って回復基調にある。

部門別売上高は、ヘアケアが0.9%減の221億3500万円。「オージュア」「グローバルミルボン」が窓口軒数、売り上げとも伸ばしており、部門全体で微減にとどめた。染毛剤は3.1%減の125億9400万円だった。ファッションカラーで「オルディーブアディクシー」が引き続き堅調でプラスになったが、グレーカラーの「オルディーブシーディル」が苦戦した。19年から取り扱いを進める化粧品は118.3%増の3億6000万円と倍増。通常の営業活動ができなかったため想定よりは低調だったものの、今後は戦略を強化。新型コロナ禍で化粧品の買い場に困った生活者の新たな接点としてサロンにおける化粧品販売の可能性を高めていく。パーマネント用ウェーブ用剤9.4%減の13億7200万円、その他が0.3%減の2億6200万円だった。

国内海外別売上高は、国内が1.7%減の298億8000万円、海外が0.2%減の58億4400万円だった。欧米では、ミルボンU.S.A.が新型コロナ禍の影響を大きく受けたが、将来につながる取り組みが実施できていることから、今後の回復が期待される。先行して新型コロナから回復した中国では2月を底に急回復しており、前期越えを達成している。韓国も回復が見られ、現地通貨ベースでは13.2%増と伸長した。

21年通期業績は、売上高は6.9%増の382億円、営業利益は0.4%増の64億2000万円、経常利益は1.4%減の57億1000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は3.7%減の40億5000万円を予想する。23年度を最終年度とする中期事業構想は、新型コロナ禍の影響から、方針を転換。20年7月から21年12月までの18カ月ミッションを進め、23年目標に向けて取り組んでいた戦略のスピードを加速。22年度より新たな中期事業構想を設定し、次の新たな成長ステージにつなげていく考えだ。