ミルボンは、社員が主体的にコーポレートブランディングに関わる取り組みの一つとして2017年に社内公募企画を実施。応募された企画案22件のなかから自社工場の作業服を刷新する「デザインワークプロジェクト」の実現が決定した。昨今、製造業の人手不足が深刻化するなかで、働く際の快適さ、社員のモチベーションアップを図り、パフォーマンスの向上や人材の定着を促すのが狙いだ。
同プロジェクトで刷新したのは、生産体制の強化と「魅せる工場」へと進化すべく16年に増設した三重県ゆめが丘工場の作業服だ。工場のハード面では「魅せる工場」として認知されるようになり、国内外から多くの見学者が訪れている。ただ、そこで働くメンバーの作業服は、機能性を重視したものだった。
洗練された製品を生み出すためにも、きれいな髪を感じられるミルボンらしい作業服にし、〝着る喜び〟〝ミルボン社員としての誇り〟を持ってほしいとの考えのもと、「魅せる工場」を具現化するため、作業服のリデザインに着手した。
作業服刷新に当たり、実際に工場で働くメンバーに実施したアンケートでは、「いかにも作業服という色は避けてほしい」「汚れが目立ちにくい色がいい」「だらっとしないデザイン」「ストレッチ素材」「ポケットの位置や数」などの多数の意見が寄せられ、そうした要望を反映。デザイン性、カラー、機能性に関する要望を汲んで完成したのが今回導入する新たな作業服だ。
デザイン性では、女性の髪をきれいにする製品の製造企業として、作業に従事する社員にモチベーション高く働いてほしいという想いも込め、細身でスタイリッシュなデザインにしている。また、カラーにおいてはミルボンのコーポレートカラーを施したシックな見栄えだ。また、作業服として最も重視した〝作業のしやすさ〟については、ストレッチ素材の記事を使用するとともに、ポケットの位置や数など細部までこだわった仕様になっている。
今回のワークウェアデザインプロジェクトでは、ミルボンのパッケージデザインを監修する京都市立芸術大学、職人や繊維産地にも精通している糸編との産学連携の取り組みに発展したこともユニークな点になっている。
新たな作業服の導入に先駆け、ミルボンではメディア向けにお披露目会を11月12日に開催。冒頭あいさつに立った佐藤龍二社長が、ミルボンのコーポレートブランディングの一環として取り組んだプロジェクトであることや、トップダウンではなく、実際に工場で働く社員の現場を起点に実現したプロジェクトであることを説明した。