ZOZOの2022年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比15.4%増の388億6600万円、営業利益が同20.8%増の125億9100万円、経常利益が19.7%増の125億3400万円、四半期純利益が19.3%増の87億3100万円となり、増収増益だった。

今期の業績について、「健全な成長」と称し、その要因として①顧客の定着化②ブランドのデジタルシフト積極化③PayPayモール店の好調④ZOZOCOSMEの好調――の四つを挙げる。

3月18日にスタートしたZOZOCOSMEでは、900万人の既存顧客へ積極的にアプローチ。注文のうち、約6割がアパレル商品とのあわせ買い注文となり、見込み通りの結果を収めている。中でもメイクアップ商品の売れ行きが良いのが、アパレルとの親和性を物語っている。コスメウィークというプロモーションも積極的に実施し、順調に売り上げを伸ばした。

また、この化粧品展開にあわせ、自分の肌の色を診断する「ZOZOGLASS」も大きな役割を担っている。累計111万件、今でも日々多くの注文が続いている状況だ。肌の色が分かるということの価値が潜在ニーズとマッチ。自分の診断結果をSNSで発信しやすいところが狙った通りに奏効していると分析している。

ZOZOGLASSでの肌の色の計測者のファンデーションの購入率は未計測者の2倍と、購入者の数としても大きな差が出ている。一方で、購入者数のボリューム自体は多くはないことが課題。計測は多いが、ファンデーションの購入に至るまでに数が大きく減少するため、対応商品を増やすなど対策を急ぐ。

また、ZOZOCOSMEは、6月にDior、7月にCHANELと矢継ぎ早にラグジュアリーブランドの取り扱いを開始。ZOZOはファッションモールの中で特に若年層との接点になり得るという強みが、これらのブランドの出店につながった。こうしたブランドの取り扱いを通して、ZOZOCOSME自体の存在感を高めていく考えだ。