2月5日、仏化粧品業界団体「コスメティック・ヴァレー」が、今年の優先10項目を発表した。内容はウェブテレビ開設、化粧品企業従業員への質の高い研修など盛りだくさんだ。その中から特に興味深い8、9、10の3項目について、クリストフ・マッソン事務局長に聞いた。

コスメティック・ヴァレーのクリストフ・マッソン事務局長
©A.Lombard

コスメティック・ヴァレーは「コスメトペ(cosméthopée)」を推進している。コスメトペとは、フランスでもあまり聞かない言葉である。「薬学で使うファルマコペから着想を得て、10年ほど前にコスメティック・ヴァレーが作った造語です」とマッソン氏。ファルマコペとは、薬の原料(大部分が植物)とその使用法、調合などの情報を目録化することを指す。コスメトペは、その化粧品版で、原料となる植物について作成する。根底には、植物と人間の文化の相互関係を研究する民族植物学の考え方がある。「人類は古代から植物を使って肌を保護したり、文化的な慣習に従って化粧をしてきましたが、それらの植物について目録が作成されることはありませんでした。母から娘に伝えられた伝統的な知識や方法が失われることを危惧して、コスメトペという言葉と概念を作りました」(マッソン氏)。それぞれの国や地域で化粧品に使われる植物の目録を作り、生物の多様性を保護しつつ化粧品の開発に役立てるのがその目的だ。コスメティック・ヴァレーはコスメトペという言葉が商品名や企業名など商業目的で使われないよう、フランスで商標登録した。

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