コーセーが、2030年に向けた同社グループの温室効果ガス(以下GHG)削減目標を従来の28%から35%へ上方改定し、国際的イニシアチブ「SBTi(Science Based Targets Inisiative)」による「SBT(Science Based Targets)」認定を取得した。

「SBTi」は、科学的な裏付けによる、「パリ協定」に則ったGHG排出量の削減目標設定を民間企業や各種団体に対して求めるイニシアチブで、国際的環境NGOのCDP、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護金)、UNGC(国連グローバル・コンパクト)の4団体により運営されている。

「パリ協定」とは、15年にCOP21で採決された「世界の平均気温上昇を、産業革命前と比較して2度より十分低く抑え、1.5度に抑える努力をする」国際的な枠組みの合意内容を指す。「SBTi」により、「パリ協定」に適合したGHG排出量削減目標に対して「SBT」認定が与えられる。

コーセーグループは、20年より30年に向けたサステナビリティ戦略と目標をまとめた「コーセー サステナビリティ プラン」の取り組みテーマの一つとして「事業活動全体での環境負荷低減」を掲げ、気候変動問題に取り組んでいる。今回の「SBT」認定は、同プランで定める、自社が使用するエネルギーや電力を由来とするGHG排出量(SCOPE1・2)の削減目標を従来の28%から35%へ改定し、バリューチェーン全体(SCOPE3)での削減目標を新たに30%と設定したことが認められたもの(いずれも18年度を基準)。

同社グループのGHG排出量削減活動としては、20年度、主力生産拠点である群馬工場のすべての購入電力を再生可能エネルギーに切り替えたほか、プラスチック廃棄量を削減することで廃棄処理によるGHG排出量を低減するという観点から、代表的スキンケアブランド「雪肌精」においてプラスチック容器の回収プログラム「SEKKISEI Earth Beauty Program」を実施するなど、自社の事業活動からバリューチェーン全体にいたるまで幅広い視点で意欲的に取り組んでいる。

同社は、今後も引き続き、誰もが安心して暮らせる健やかな地球の未来を実現するために、気候変動問題をはじめとする社会的課題に対して実効性のある取り組みを積極的に行っていく考えだ。