カタ、カタ、カタ――。コーセー主催の「セレクティブブランド エキスパートアカデミー」が始まると、会場内にペンを走らせる音が響く。参加者は化粧品専門店の店頭に立つ女性で、特にオーナー家の夫人。目的が「カリスマ専任販売者の育成」だけに、参加者の表情は真剣そのものである。アカデミーの開催は毎年1回、2泊3日。第1回は2018年秋で、今年は10月16日に開講したが、その内容は多くの参加者が「ハードです」と言うほど濃密。いまどき珍しいスパルタ教育であることに驚かされる。
例えば、1日目は、外部講師による接客セミナーだけで4時間を費やす。消費者を年代別・4タイプに分類し、その特徴を店に入った瞬間に見抜くこと。さらにタイプにあった言葉遣い、会話のテンポ、潜在ニーズの聞き出し方などをきめ細かく学習。新客の獲得が難しい昨今、あらゆるお客を満足させる接客技術は、経営を左右する重要事項だから、中四国の専門店からの出席者は「顧客の言葉の中にヒントが転がっているのに、みんなゴミ箱に捨てている。自分たちが言いたいことを話しているだけ、という指摘は耳が痛かったが、店頭で実践したら、面白いと思った」とモチベーションを高めていた。
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