コーセーは10月30日、記者ミーティングを実施。最新のトピックスを共有した。

先端技術研究所先端技術研究室の石塚由紀子室長は、先端技術研究の進捗状況について説明。先端皮膚科学研究、感性&データサイエンス研究、品質保証・製剤研究の三つを軸にお客視点の研究を進めていることを示した。なかでも先端技術室が推進している感性&データサイエンス研究においては、①コンピュータとの協業による、人の発想を超える新しいものづくりの仕組みの構築②データサイエンスによるお客一人一人にフィットした商品・サービスを提供するためのメソッド開発の大きく二つのテーマに取り組んでいる。

①においては、昨年オープンイノベーションを意図したアクセラレータープログラムにおいて社外ベンチャーと社内有志のコラボで、研究員の知的作業をコンピュータに移植し、人とマシンが協働することで創造性を高めていく。例えば処方開発においては、これまでは研究員が一つ一つの原料の特性や処方の組み方を、経験を積むことで体得し、処方開発を行ってきたが、個人や経験年数によって差異が生じていた。今後は処方開発に必要な情報をデータ化・データベース化し、所定のアルゴリズムに基づいて横断的に処理し、目的に合った処方をはじき出す。これにより、研究員は人にしかできない価値を付与する研究に専念することが可能になるなど、新たなモノづくりのプラットフォーム構築を目指す。

②については、生活者のライフスタイルが大きく変化、特に新型コロナ禍でさらにそれが加速しているなかでサステナブルに寄り添った提案を行っていくことが求められているという考えのもと、例えばデータ解析や画像解析、機械学習を用いて解明し、お客に提案するためのアルゴリズムを開発するといったことにつなげていく。

また、12月17日にオープンするフラッグシップストア「Maison KOSÉ(メゾンコーセー) 表参道」について、デジタルマーケティング戦略部の松原徹部長が説明。その狙いとして、VISION2026に掲げた〝パーソナルな顧客体験〟を実現する場、コーセービューティプラットフォーム構想を実現するための顧客タッチポイントの増強、コーセーのすべてが体験できる、もっと好きになる場の三つをあげた。店頭支援システム「K-PAD」導入店、メゾンコーセーオンライン、メゾンコーセー銀座に続く新たな顧客接点の位置付けで、デジタルを活用した顧客体験を追求し、コーセーのブランド体験×デジタル型のショッピング体験を提供していく。

3階層のメゾンコーセー表参道は、2階がADDICTIONの発信拠点となる「ADDICTION STUDIO」。1階にはデコルテの新たなカウンターデザインを日本で初めて導入。地下1階がメゾン(家)を体現するアットホームなコーセーの商品体験を提供する「more KOSÉ Brands」となっている。