欧州化粧品市場の本丸であるフランス・パリにコンセプトショップ「Maison KOSÉ」を設置。18年11月からエステ・トリートメントの導入を機に満を持して本格稼働する。ショップ展開の狙いは、日本らしいカウンセリング重視の商品販売とサービスの提供で、日本人の伝統や文化と最先端技術が融合した価値を発信すること。フランスにおけるコーセーの認知拡大を図る情報発信拠点として活用する。将来的には、欧州主要都市への象徴店舗の展開も検討しているが、今回のコンセプトショップはその試金石となる。
コンセプトショップの場所は、シャンゼリゼ通り付近の一角(24 Rue Marbeuf, 75008 Paris, France)で店舗面積は43平方メートル。オープンは18年7月24日で、まず物販販売のみでスタートした。取扱ブランドは、欧州各国で展開しているスキンケアブランド「KOSÉ Cell radiance(セルラディアンス)」、グローバル重点ブランドの「コスメデコルテ」「雪肌精」の三つ。「コスメデコルテ」「雪肌精」はフランス初上陸だ。ラインアップ拡大については、現地生活者の反応を見ながら検討する。
「Maison KOSÉ」で注力するのは、11月にスタートするエステ・トリートメントの提供だ。日本人のエステティシャンが開発した「デコルテ プロフェッショナル」と「KOSÉ Cell radiance」のフェイシャルコースを展開する。特に「デコルテ プロフェッショナル」の海外展開は初めて。日本でも、カウンセリング販売が得意な専門店での提供が大半で、全国100店以下でしか味わえない希少なエステ・トリートメントメニューである。海外では商品販売に焦点が当たりがちだが、「日本」「化粧習慣」に興味を持つフランス人に対して、体験を通じてコーセーならではの提供価値を浸透させるのが目的。今後は華道や茶道などのカルチャースクールの開催も検討している。
「雪肌精」(奥)と「KOSÉ Cell Rradiance」(手前)のカウンセリングコーナー
エステメニューは以下の通り。 ●デコルテプロフェッショナル(3コース) 「肌目的別コース」(65分) ・モイスチュアコース(角層深くうるおい、しっとりみずみずしい肌に整える) ・バイタライジングコース(透明感の高い、清らかな明るい肌に整える)「トライアルコース」(30分) 時間が限られている時に気軽に試せる顔のみのマッサージコース。 ●セルラディアンス(4コース) ・Éclatコース(60分・滑らかで、活き活きとした、ワントーン明るいツヤのあるお肌に導く) ・Repulpantコース(60分・しっかりと潤いを届け、やわらかく、弾力のあるお肌に導く) ・Anti-age regenerantコース(60分/90分・ハリと明るさのある、若々しい印象のお肌に導く) 「デコルテプロフェッショナル」と「KOSÉ Cell Radiance」のスキンケアを用いたフェイシャルコース |
現時点では、エステティシャンは現地採用で、メニュー開発や教育は日本人が担当している。しかし、将来的には、アジア各国の美容課長が現地社員であるように、教育職の現地化も視野に入っている。コーセーは、欧州戦略を左右するフランス市場の開拓に本気だ。長期ビジョン「VISION 2026」の目標の一つは、世界で存在感のある企業になることだが、アジアに強い企業からの脱皮は着実に進んでいる。
「Maison KOSÉ」店舗概要 店舗名:Maison KOSÉ(メゾンコーセー) 所在地:24 Rue Marbeuf, 75008 Paris, France 営業時間:10:00~19:00 店休日:日・月 URL:http://www. maison-kose.fr (近日オープン予定) |