資生堂は、技術セミナー「男性肌研究に関する新知見」を12月2日にオンラインで開催した。

セミナーでは資生堂グローバルイノベーションセンター(GIC)情報イノベーションセンターの小泉高陽研究員が「資生堂の男性研究」のテーマで、GICアドバンストリサーチセンターの鈴木牧人研究員が「男性は女性よりも肌のストレス耐性が低いことを発見-男性の肌は抗酸化力が低い-」、GICの細井純一シニアサイエンティストが「30年以上にわたるランゲルハンス細胞研究」についてそれぞれ説明した。

左から小泉高陽研究員、鈴木牧人研究員、細井純一シニアサイエンティスト

小泉研究員は、「資生堂では男性化粧品に関する研究においては100年以上の歴史がある」とし、「uno」「SHISEIDO MEN」といったブランドにおける近年の取り組みなどを紹介。そのうえで近年、男性の化粧意識が高まりつつあることを紹介。洗顔料の使用率は42%、化粧水は19%と高まっているが、今後の伸びも期待できる状況を示した。今回は新知見として男性の肌は女性のそれに比べセンシティブであること、特に抗酸化力、皮膚免疫の二つが女性よりも低い傾向にあることを発見。こうした男性特有の肌の性質を捉えたケアが重要となり、今後も研究を深め新しいアプローチを提案していくとした。

鈴木研究員は、「男性の肌は女性に比べ皮脂量が多くバリア機能が低いことが一般的に知られているが、今回、男女の抗酸化力の違いにフォーカスしたところ、男性は抗酸化力が低いことが判明した」と説明。抗酸化力が低い肌の内部では炎症反応が起きやすいことから、男性の肌の炎症指標を調べると、男性は女性に比べ2倍以上炎症指標が高い値となっていることがわかった。鈴木研究員は、「男性の手入れが女性ほど定着していないため外界ストレスを受けやすい環境にある。加えて肌の抗酸化力が低く、ストレス感受性が高いため、男性の肌は女性と比べて炎症反応が起きやすく、様々なトラブルを引き起こしやすいことがわかってきた。こうした。特徴をしっかり把握したうえで男性に合ったスキンケアを提案していきたい」と語った。

細井シニアサイエンティストは、インフルエンザワクチンを例に「男性はワクチンの効果が上がりにくく、女性は活性化しやすいことが報告されている」と男女の免疫システムの違いを指摘。そうした免疫システムにおいてはランゲルハンス細胞が深くかかわっていることが知られているが、この細胞には①外から侵入する異物に反応し、全身の免疫システムに指示を出す②刺激応答を鎮静化するといった二つの機能を持っている。ただ、紫外線をはじめとした様々な刺激やストレスにより減少する。健康な皮膚では減少しても、特定の因子が出て新たなランゲルハンス細胞を産生することが可能だが、資生堂が行った試験管内試験では男性ホルモンがランゲルハンス細胞産生を促す因子の発言が低下することがわかった。細いシニアサイエンティストは、「男性ホルモンは活動的な生活を送るために必要だが、一方では体の機能を抑制する場合もある。皮膚の中でも産生される男性ホルモンの作用をうまくコントロールすることで健康な肌を維持していければと考えている」と語った。

今回のセミナーは、オンラインの開催ではあるものの、撮影時のみマスクを外し、それ以外はずっとマスク着用の上、ソーシャルディスタンスを保つ、セミナー中は、アクリル板パネルの設置およびソーシャルディスタンスを保って実施し、終了後は速やかにマスクを着用するなど、徹底した対策のもと実施された。