武田コンシューマーヘルスケア(TCHC)は、2021年4月より親会社となるブラックストーンとの共同記者会見を9月3日にウェブで実施した。

冒頭登壇したTCHCの野上麻理社長は、「最優先戦略のアリナミン、ベンザのメガブランド化あるいは中華圏への進出といったことを考えると、今回の決定は非常に大きな変化であるとともに、大きなチャンスであると思っている」と期待を示した。

続いて説明に立ったブラックストーンの坂本篤彦日本代表は、アリナミン、ベンザのブランド力を高く評価する一方で、経営資源の投入が不足していることにより、事業としての伸びが鈍化しているとし、人・モノ・金の投資を行い成長を図っていくことを示した。

具体的には、人に関してはこれまで通りの雇用を維持。ブラックストーンとして取締役会に人材は配置するものの、事業に関わるポジションに人は送らないと説明した。モノに関しては、ブラックストーンのグローバルの知見を活用。データ分析、IT構築、中国を中心とした海外展開の加速といった部分で資源を投資していく考えだ。金に関しては、これまでの武田薬品の一事業部門という立場ではなくなることから、事業で稼いだ資金をマーケティング費用、研究開発、海外展開など再投資できる基盤をつくる。

これらにより、短期的には既存事業・ブランドの成長を加速、中長期的にはウェルネス領域等製品領域の拡大、中華圏およびアジアにおける海外展開の加速、ECなど販路のさらなる拡大、スイッチOTCの強化などにより成長を図り、5~10年のスパンでIPOを目指す。

坂本日本代表は「ブランドの切り売りは全く考えていない。事業全体で成長していく」ことを改めて強調した。