圧倒的なスピード感でさまざまな取り組みを展開する資生堂。そのベースとなる研究開発分野において、グローバルイノベーションセンター(以下、GIC)の本格稼働後も、国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)ミラノ中間大会2019口頭発表部門における最優秀賞受賞、新たな紫外線防御技術の開発など、話題に欠くことがない。資生堂の事業のルーツであり、根幹でもある研究開発において、その強みや考え方、研究員にとってのGIC開設の意義、今後の化粧品開発のあり方などを、島谷庸一代表取締役副社長 チーフイノベーションオフィサーに、同社の研究開発責任者の立場から幅広く語ってもらった。

CBRCとの共同研究が30周年を迎えた

――まず資生堂の研究開発の概要を教えてください。

島谷 当社は1872年に日本初の西洋調剤薬局としてスタートしましたが、研究所の役割を担う「試験室」を設置したのが1916年です。西洋調剤薬局からスタートしていることもあり、サイエンスとアートを重視しながら、お客さまにバリューを提供することが資生堂のDNAと捉えています。そのなかで研究開発に関して言うと、“TO BE THE BEST INNOVATIVE BEAUTY COMPANY”(最も革新的なビューティーカンパニーであること)を目指し、既存の化粧品開発に加え、化粧品の枠を超える全く新しい価値を創出することで世界をリードしていきたいと考えています。100年を超える化粧品の研究開発では、〝感性〟〝安心・安全〟〝皮膚科学〟の三つのキーテクノロジーを確立してきましたが、最も革新的なビューティーカンパニーを目指すために、これらの長年の研究開発により培った強みを深掘りするとともに、AIやIoTに代表されるデジタルやデバイスの技術、環境対応型パッケージの開発をはじめとするサステナビリティ技術なども強化しています。“COSMETICS” “NEW CATEGORY” “UNLIMITED BEAUTY”の三つの領域のイノベーション創出に向け、研究開発領域は以前と比較して大幅に広がっています。

この続きは会員の方のみご覧いただけます。