佐藤久美子(さとう・くみこ)
1996年から化粧品輸入ビジネスに従事。「スイスライン」「ユイルエボーム」といったブランドを日本市場に導入。エコサート認証コスメとの出会いをきっかけにオーガニックコスメのセレクトショップ「オーガニックマーケット」をオープン。1999年よりSLJ代表取締役。

認証やエビデンスが必須
フランスとオーストラリアの取引先が相次いで来日した5月。展示会やイベントでもないのに重なるのは珍しい。円が安いから日本滞在は楽しいでしょ、と恨めしい思いを込めて聞いてみると、日本はもちろん快適だけれども、われわれも自国の事情は大変なんだと、返される。イラン攻撃で欧州の物価は高騰し、米国への反発と続く消費の低迷で活路が見えず、アタマが痛いのだそうだ。オーストラリアもそのあたりは同様で、そこに彼らからは中国への不満が加わる。サプライヤーが納期遅れや品質低下を中東情勢のせいにして、値上げまでを通達してくる、と怒り心頭のご様子。日本は素晴らしい、と言ってくれることに気を良くしながらも、その日本も値上がりのニュースばかり。石油不足とその不安感からさまざまな分野で品薄が続き、仕様の変更を余儀なくされている。石油由来の製品が至るところに存在している現実に人々が気付き、環境問題の点からも身の回りを見直すなど意識が変わるタイミング――今はその瞬間にいるのではないか?と、願望が交じる。
ところで、欧州でのクリーンビューティー分野の表現について「ますます厳しく」なると耳にしていた情報は、EU指令2024/825「グリーントランジションのための消費者支援」に基づくものであった。「環境にやさしい」「エコ」「グリーン」といった表現について、本当にその主張が正しいのかを消費者が「正確な情報」に基づいて判別し、製品やサービスを選択できるようにすることを目的に、環境訴求全体に対して新しく打ち出された指令で、2024年3月26日に発効、26年3月27日までに国内法へ反映(トランスポジション)することが義務付けられている。そして施行は26年9月27日から、と目前に迫っているが、フランスではまだ国内法への組み込みが完了していないようだ(26年5月現在)。
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