インフレ下での消費行動やグローバル市場の変調、そして異業種を含めた競争の増加――。化粧品・日用品市場の競争環境そのものが変わり始めている。こうした状況を踏まえ、上場各社は、どこに勝ち筋を見いだそうとしているのか。JPモルガン証券の桑原明貴子氏とみずほ証券の宮迫光子氏に、市場環境と各社を分析する上で重要な視点について語り合ってもらった。

JPモルガン証券
桑原明貴子氏

みずほ証券
宮迫光子 氏

攻めに転じた資生堂 次の焦点は利益の質

――まず、化粧品・日用品市場全体の足元をどう見ていますか。

桑原 グローバルで見れば、ここ数年の大きな混乱は、やや落ち着きつつあると見ています。中国は以前より安定感が出てきましたし、トラベルリテールも底打ち感がある。米国も最悪期を脱しつつあり、欧州も加速感こそ強くないものの底堅い。一方、日本も家計消費動向だけを見れば、化粧品消費は大きく崩れていません。ただ、それで安心できるかというと、話は別です。日本市場に絞って見ると、競争は確実に激しくなっています。インバウンドの勢いが鈍れば、その分だけ外資も国内需要を取りにくる。異業種プレーヤーも存在感を強めています。市場が安定しているというより、競争の構図そのものが変わっていると捉えるべきではないでしょうか。

宮迫 私は国内需要そのものに、もう少し慎重に向き合う必要があると思っています。2025年下期以降、とりわけ日本人向け需要に弱さが見え始めている。価格帯で見れば、高価格帯は比較的しっかりしていますが、低価格帯から中価格帯は厳しい。各社はどうしても自社が注力している商品やブランドを中心に市場を見てしまいがちですが、百貨店各社の月次や流通データを踏まえると、国内市場は決して楽観できません。金額が保たれていても、数量や買い方の変化まで含めると、停滞の兆しは見えていると思います。

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