花王とライオンの競争は単価アップの好事例

2021年の日用品業界は、コロナ特需が落ち着き、各社の底力が試された1年だった。業績を伸ばしたり、ヒット商品を生み出したりした企業と、特需がなくなり苦しんだ企業との差がはっきりとあらわれた。この明暗は、企業の商品開発力が生んだ。特に、プレミアム商品は、今までなかった価値を商品に加えることによって、単価向上や新しいニーズを掘り起こすことができる。つまり、コロナ禍は、平時から磨き続けた企業力を浮き彫りにしたとも言えるのだ。

21年のヒット商品の一つは、花王が9月に発売した「バスマジックリンエアジェット」(以下エアジェット)である。通常の浴室用洗剤は、浴室や壁にスプレーを吹きかけて、こすり洗いをする必要があるが、同商品は、きれいにしたい部分に吹きかけて30秒間待つ。あとはシャワーなどで流すだけだ。家事負担の軽減、使い勝手の良さを積極的なテレビCMやウェブ広告で訴求し、瞬く間にヒット商品にした。

花王が「バスマジックリンエアジェット」を発売。これによりライオンが切り開いた「浴室を擦らず洗う」の新習慣が定着

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