日本メナード化粧品はこれまでの研究から、美しい肌を維持するには、肌におけるDNA修復能力が重要であることを見いだしてきた。また、DNAの修復能力を高める素材として、生薬の一種である霊芝(赤霊芝・黒霊芝)に着目し、亜臨界水抽出技術により有用成分の抽出を試みてきた。今回、亜臨界水抽出技術により霊芝から抽出した成分(亜臨界水抽出物)の肌に対する効果を検証し、肌のDNA修復能力を高めるとともに、様々な肌悩みを改善する効果があることを確認した。

亜臨界水抽出技術とは、高温・高圧状態(亜臨界状態)の水で成分を抽出する特殊な抽出方法で、熱水での抽出と比較して溶出力が高いという特徴がある。同社ではこれまでに、亜臨界水抽出技術を活用して健康維持に良い効果を持った霊芝抽出物の開発を進めてきた。

亜臨界水抽出技術は、温度や圧力においてさまざまな条件が設定でき、その各条件で得られる成分が異なる。そこで、先行研究で100種類を超える条件検討を行い、DNA修復酵素を増やす効果を持った成分が抽出できる条件を見いだした。今回は、この条件で抽出した霊芝亜臨界水抽出物の肌への効果を検証した。

亜臨界水抽出技術のイメージ

肌は紫外線などの刺激に常にさらされており、細胞のDNAは日々損傷を受けている。DNAが損傷を受けると、コラーゲンやうるおい成分などの美しい肌を維持するために必要なタンパク質が生成されにくくなる。しかし、肌には損傷したDNAを修復する酵素が存在しており、絶えず損傷箇所を修復することで、肌の状態は維持されている。

同社はこれまでに、肌のDNA修復酵素が多いほど美しい肌状態を維持できることを見出している。また、肌の細胞を用いた実験により、生薬の一つである「霊芝(赤霊芝・黒霊芝)」から亜臨界水抽出技術によって得られた抽出物に、DNAの修復酵素の発現を高める効果があることを確認している。

今回、霊芝亜臨界水抽出物の肌に対する有効性を評価するため、女性14名(37~52歳)を対象に、霊芝(赤霊芝・黒霊芝)の亜臨界水抽出物を配合した製剤を継続的に使用させ、使用前後の肌状態を比較した。その結果、2ヵ月の使用によって肌のDNA修復酵素の量が増加した。また、3ヵ月の使用によって肌の明るさやシワ、たるみ、なめらかさなど複数の肌悩みが改善されていることを確認した。これらの結果から、霊芝亜臨界水抽出物は、DNAの修復能力を高めることで、さまざまな肌悩みに対して改善効果があり、総合的に美しい肌状態を保つことができると考えられた。

肌のDNA修復酵素の変化

肌性状の改善写真(代表例)