表皮の厚みの低下(菲薄化)は、真皮に比べて早い年代から始まり、ハリのなさやなめらかさの低下といった見た目の美しさが損なわれる要因となることが知られている。健全な表皮の形成には、ヒアルロン酸がカギを握っている。重層した細胞同士の空間を維持し、細胞への栄養素の供給や細胞からの代謝産物の通り道を確保するといった役割をヒアルロン酸が担っている。花王は、この表皮ヒアルロン酸の生成を高めることで、十分な厚みがあり、うるおいとハリに満ちた表皮の形成につながることを解明。今回の研究成果の一部を、2023年6月4〜8日に米国で開催された「第14回国際ヒアルロン酸学会」にて発表している。
今回の研究成果の礎となったのが花王グループの長年にわたり培ってきた知見にある。1981年より、皮膚におけるヒアルロン酸の合成・分解の仕組みやその制御について、業界の先駆けとなる多くの知見を見いだしてきた。2002年には表皮におけるヒアルロン酸合成の仕組みを遺伝子レベルで解明。04年には、N-アセチルグルコサミンの表皮ヒアルロン酸産生促進作用を発見。それから約20年の歳月を経て、新成分のN-アセチルグルコサミン誘導体の開発に成功した。
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