アース製薬の2025年12月期第1四半期業績は、売上高6.5%増の447億8200万円、営業利益25.9%増の62億6900万円、経常利益19.6%増の61億5900万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は32.5%増の46億7800万円と、増収増益だった。

売り上げは虫ケア用品の好調な出荷や、総合環境衛生事業における契約件数・金額の増加に伴い、増収となった。利益面では、増収に伴う売上総利益の増加、広告宣伝費の使用時期の後ずれや販管費の効率化などにより2桁増益となった。また親会社株主に帰属する四半期純利益については、プロトリーフの株式の追加取得に伴う段階取得に係る差益を特別利益として計上した。

セグメントの業績を見ると、家庭用品事業では厳しい競争環境下においても入浴剤や口腔衛生用品の出荷が堅調に推移した他、虫ケア用品の出荷が好調に推移したことなどにより、売上高は4.8%増の406億6500万円、営業利益は価格改定効果の顕在化や売上構成の変化などによる売上原価率の改善などが寄与し、27.3%増の60億8100万円と大幅増益となった。

同事業内の虫ケア用品部門は、国内では、前年に比べて気温が低めに推移したが市場は好調に立ち上がり、季節にとらわれず年間を通した虫ケア用品の使用の訴求効果もあり、ゴキブリ用や不快害虫用製品の出荷が順調に推移した。今春の新製品「はだまも」シリーズの出荷も寄与し、虫よけ剤の売上が伸長した。海外においてはベトナムやフィリピンにおける売上の減少や、為替変動による円換算でのマイナス影響を受けているものの、タイや中国では前年を上回って推移し、全体では昨年と同水準の売上を維持している。これらの結果、同部門の売上高は6.1%増の217億6600万円となった。

日用品部門の売上高は2.8%増の158億1700万円。口腔衛生用品分野においては、年初から市場は前年を下回って推移する中、「モンダミン」シリーズは出荷・売上ともに好調な推移が続いており、売上高は9.6%増の18億8800万円となった。

日用品部門入浴剤分野においては、市場全体が好調を維持する中、「きき湯」や「温泡」などの基幹商品、中性重炭酸入浴剤「BARTH」などの出荷が好調に推移し、売上高は6.1%増の61億2700万円となった。

その他日用品分野においては、消臭芳香剤や衣類用防虫剤の出荷が前年を下回り、売上高は1.2%減の78億100万円となった。

ペット用品・その他部門の売上高は5.9%増の30億8100万円となった。ペット用品分野においては、飼い主のペットに対する健康意識の高まりやペットの住環境の充実などを受け、一頭あたりにかける費用は増加傾向にあり、ペット関連市場は安定して推移している。こうした状況の下、猫砂などのケア用品の売上は好調を維持。またMA-Tや清涼飲料水「アースコロイダルシリカ」などの売上が好調に推移したことが寄与した。

総合環境衛生事業は、食品や医薬品、医療についての安全基準に対する国際調和の流れや、国内における法改正、異物混入事故の発生などを背景に、食品関連工場や医薬品関連工場、包材関連工場におけるアース製薬グループの専門的な知識や技術、ノウハウをもって提供する高品質な衛生管理サービスへのニーズは依然として高い状況にある。外部環境では、製造業における設備投資の増大が追い風となった一方、世界情勢の悪化により、人件費の上昇や資機材の価格高騰が加速している。こうした中、差別化された衛生管理サービスを提供するために、専門性や技術開発力の強化に向けた投資を積極化し、契約の維持・拡大と適正な利益の確保に努めた。特に、食品工場における製造ラインの清掃業務においては、安全に十分配慮しながらも適正な利益確保を図った。またJIS規格適合証明では監査件数が増大、新規格JFS-B Plusにおける初の監査会社に登録された。

研究開発分野においては、分析センター東日本ラボを千葉県千葉市に移転・集約し、ライフサイエンス分野向けの検査設備を拡充している。当事業の業績については、原価率の上昇や人財への積極投資に伴う人件費の増加などがあったものの、年間契約件数の増加により売上が伸長した結果、売上高は8.5%増の77億2900万円、営業利益は27.1%減の2億1200万円となった。

25年12月期通期業績は、売上高3.4%増の1750億円、営業利益1.2%増の65億円、経常利益3.6%減の71億円、親会社株主に帰属する四半期純利益23.7%増の43億円と、予想を据え置いた。