アース製薬の2024年12月期第2四半期業績は、売上高は7.5%増の970億9500万円、営業利益は8.4%増の107億5800万円、経常利益は8.8%増の113億3900万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は8.6%増の76億4300万円となり、増収減益となった。売り上げの計画上振れに加え、予算原価率及び販管費の計画下振れに伴い、大幅増益となった。原材料価格の高騰による影響については、第2四半期時点では価格改定施策効果により吸収した。
セグメント別にみると、家庭用品事業の売上高は8.2%増の887億3000万円となった。口腔衛生用品や入浴剤を取り巻く環境は厳しい状況が続いたが、虫ケア用品での新製品の寄与や価格改定の実施効果の顕在化、タイやベトナムを中心とした海外事業の売上の拡大などがあり、利益面では、想定を超える急激な円安進行を含め、原材料価格高騰の影響や売上構成の変化により売上原価率が前年同期を上回ったものの、増収に伴う粗利益の増加が寄与し、セグメント利益は9.2%増の98億9700万円となった。
虫ケア用品部門の売上高は9.8%増の487億9800万円となった。国内においては、年初からの好天が継続し、市場は前年を上回る状況で推移する中、今春発売の新製品「ゴキッシュスッ、スゴい!」を始め、ゴキブリ用、ダニ用、不快害虫用、虫よけ剤等の出荷が順調に推移した。また、価格改定施策の効果もあり、売上が伸長した。海外においては、ASEANや輸出事業が伸長した。特にタイでは虫ケア用品のシェア拡大が売り上げ成長に寄与した。
日用品部門の売上高は3.4%増の337億3500万円となった。口腔衛生用品分野の売上高は1.8%減の39億1900万円。厳しい競争環境の中、市場の活性化に向けた製品の投入等を行ったが、SKU整理に伴う減収分のカバーには至らなかった。入浴剤分野の売上高は2.9%減の112億6600万円。市場は前年を上回る状況となっているものの、競争環境は激しさを増し、「日本の名湯」といった分包タイプが好調な一方、粉末タイプ「バスロマン」、粒剤タイプ「きき湯」は低調な状況が続いた。その他日用品分野の売上高は9.0%増の185億4800万円。猛暑対策を目的としたシャツミストやネッククーラー等の冷却剤、女性用マスク、エアコン洗浄剤、衣類用防虫剤等の売上が伸長した他、ベトナムで取り扱う住居用洗剤の売り上げが拡大した。
ペット用品・その他部門の売上高は24.3%増の61億9600万円となった。飼い主のペットに対する健康意識の高まりやペットの住環境の充実等を受け、一頭あたりにかける費用は増加傾向にあり、ペット関連市場は好調さを維持している。こうした状況下、猫砂等のケア用品や機能性フード「ペットスエット」、プレミアムフードの売り上げが伸びた。
総合環境衛生事業の売上高は契約件数と契約金額が順調に増加し、10.7%増の158億8000万円となった。利益面では、主な契約形態である年間契約やスポット契約における原価率の上昇による影響などがあったものの、増収に伴う売上総利益の増加により、セグメント利益は31.4%増の10億1600万円となった。
24年12月期通期業績は、売上高は4.2%増の1650億円、営業利益は52.9%減の30億円、経常利益は47.6%減の35億6000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は56.4%減の17億9000万円と、当初予想を据え置いた。