100%再生PETの難題 破損、白化を克服
ポーラはホテルアメニティ市場の環境対応で先手を打っている。2022年に業務用ブランド「シャワーブレイク」をリニューアル発売した際、業界で初めて100%再生プラスチック(再生PET)のアプリケーター(容器)を採用。原油由来のPET樹脂と比較して、二酸化炭素排出量を約63%削減した。さらにシャンプーやコンディショナーなどの商品には、長野県のワイナリーから得た白ワインの生産過程で発生した搾りかすを使用したぶどう果実エキス「クロノシャルディ(保湿成分)」を配合。廃棄物削減などに一役買っている。同社BtoB事業部の北原武雄部長は「24年の売り上げは、リニューアル前の21年比約2倍で、非常に順調に伸び続けています」と強調する。
ヒットの要因は、発売のタイミングがプラスチック資源循環促進法(プラ新法)施行のタイミングと重なったからだ。ポーラはビジネスを通じた社会課題の解決を最優先に考える企業である。商品開発の基本方針は、Reduce(使用量の削減)、Reuse(繰り返しの使用)、Replace(他素材への置き換え)、Recycle(資源を循環し使い続ける)という4R戦略の徹底である。シャワーブレイクのリニューアル準備は20年頃に始まり、その時点で環境を重視する計画は決まっていた。偶然、発売がプラ新法施行と重なり、環境負荷の低い商品の導入に迫られたホテルなどがシャワーブレイクに飛びついたというわけだ。
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。
- 1
- 2