分別の効率化で新手を打つ
使用済み容器から新しい容器をつくる――。化粧品容器の水平リサイクルは、環境負荷削減の有効な手立てになる。化粧品の価値は情緒的価値と機能的価値のバランスで成り立つ。その中で容器は色や形などのデザイン性で消費者の心を動かすのに加え、使いやすさなどの利便性を左右する重要な役割を担っている。だからこそ、メーカー各社のこだわりは強い。そのため化粧品容器は、複雑かつ重厚な構造になりがちで、環境負荷が高い。使用済みの化粧品容器を回収し、再生素材を製造し、再び容器を製造する水平リサイクルが化粧品業界の常識を変える夢の技術と言われるゆえんだ。
その実用化は目前に迫っている。先頭を走るのは花王だ。2021年に立ち上げた水平リサイクルのプロジェクトは、日本環境設計(JEPLAN)のケミカルリサイクル技術「BRING Technology™」を活用。ケミカルリサイクルとは、使用済みプラスチックを分子レベルまで分解し、不純物を取り除いた上で再重合する技術のこと。JEPLANの技術は使用済みプラスチック(PET)素材の容器をバージンPETと同等の品質を持つ素材に再生できる。着色や加飾のある容器でもリサイクル可能であることから、情緒的価値を重視する化粧品容器の特性に合っている。
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