慢性的な人手不足を背景に、化粧品業界の人材争奪戦は熾烈だが、新しい潮流が生まれている。これまでOEM業界は、退職した化粧品メーカー幹部を積極的に雇用してきた。その多くは研究開発部門や生産部門の人材で、技術やノウハウの取得もあるが、OBの人脈を使って営業強化を図る側面も色濃かった。ところが、いま足元では、OEM業界からメーカーが人材を引き抜く逆流現象が起きている。あるOEM関係者は「退職した中堅社員がメーカーに転職するケースが増えている」と明かす。
メーカーがOEMの人材に白羽の矢を立てるのは、ジェネラリストの人材を欲しているからだ。大手から中堅までのメーカー各社は、機能別に職種が細分化しており、サプライチェーン全体を俯瞰してマネジメントする人材が不足気味だ。その点、OEM業界で育った人材は、商品企画、原材料の選定・調達、生産の流れ、法務、納期管理、品質管理、各部門との折衝など、多様な仕事をこなしており、多様な知見やノウハウを持っている。メーカーの人材の弱点を補うのに最適というわけだ。
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