ライオンと雪印メグミルク(以下、雪印)は2025年5月29日、ライオン本社にて「容器から容器へのプラスチック再利用プロジェクト」の説明会が行った。同プロジェクトは2社の連携により、プラスチックの資源循環を目指す新たな共同プロジェクトとなる。

同プロジェクトでは、雪印の宅配サービスで使用される「びん商品」のキャップを回収し、原料に加工した後、再生プラスチックとしてライオンの日用品容器に活用する。両社は24年2月から検討を開始。現時点で連携は容器詰め替えパック(プロトタイプ)の完成まで進展しており、26年の商品化を目標にしている。食品業界と日用品業界の垣根を超えた協力体制で資源循環を実現し、持続可能な未来を目指す。

説明会ではライオン研究開発本部パッケージ開発研究所 竹内祥訓所長と雪印メグミルク 伊藤光太郎研究開発部長が登壇。プロジェクトの背景や内容、今後についてなどをプレゼンテーションした。

まず雪印の伊藤研究開発部長が、これまで取り組んできた、宅配商品向けの「びん容器」をお客から回収、工場で丁寧に洗浄して繰り返し使用するプロセスについて説明。びんの他にキャップも一緒に回収し、植木鉢などに再資源化を行っていたが、さらに多くの可能性を求め新たなリサイクル方法の開発を重要視していることを明らかにした。メーカー間連携による日用品容器への導入は同社初の試みだ。

続いてライオンの竹内所長が長期環境目標「LION Eco Challenge 2050」に言及。30年までに石油由来のプラスチック使用量を70%以下に抑えることを目標とし、再生プラスチックを使用した日用品容器の開発を進めていることを、自社製品を例に説明した。目標の実現には同社品質基準を満たす良質な再生プラスチックの入手が必要だが、日用品業界だけで確保するのは困難なため、雪印と業界を越えて連携する。

竹内所長は雪印を連携相手として選んだ理由を、「プラスチックが多く使われていて、自社内でのリサイクルが難しい特徴を持つ食品メーカーさんの中から志を同じくしてくれる相手を探したときに、『Love Earth.Love Life.』を掲げる雪印さんに出会いました。当社のスローガンは『今日を愛する。』ですから、信念が似通っている。きっと良いパートナーになれると考えてお声がけしました」と語った。