日本メナード化粧品は、名古屋工業大学工学研究科との共同研究から見出した「超分子ハイドロジェル」の技術について、2024年9月3〜5日に山形大学で開催された第62回日本油化学会年会にて発表し、国際発信力に優れた発表としてRSC Advances Awardを受賞した。
発表タイトルは「Characterization of hydrogels formed by PEG-based surfactants based on host-guest chemistry」、日本語訳では「ホストゲスト化学的手法に基づくPEG系界面活性剤で形成されるハイドロゲルの特性評価」。日本メナード化粧品の豊田直晃主任研究員、名古屋工業大学工学研究科 山本勝宏氏らが発表した。
新しい化粧品や医薬部外品の製剤技術として、特定のポリオキシエチレンアルキルエーテルとα-シクロデキストリン(α-CD)とを水中で混合することにより形成される「超分子ハイドロジェル」の構造とその構造の動的変化について詳細に解析した結果を発表した。
形成された超分子ハイドロジェルは、正方晶充填で分子配列した構造が高次元に積層していることが確認され、この構造体には空間(ドメイン)が存在することも確認された。
形成した超分子ハイドロジェルを濃縮すると分子配列が正方晶から六方晶に変化し、フィルムを形成することを確認した。また、分子配列の変化に伴いドメインのサイズが縮小することも確認された。
超分子ハイドロジェルの技術は、外部からの影響を受けにくいドメインを持ち、肌へ塗布した後、肌の上で濃縮されるとドメインの縮小が生じることから、有効成分を安定に保つことができ、かつ塗布した後には有効成分が解放されて肌への浸透性を高める、ドラッグデリバリー技術への応用が期待される。