P&Gジャパンは9月10日に記者懇談会を開催した。同社は五つの領域(製品、パッケージ、コミュニケーション、店頭展開、価値提供)を重視する競争優位戦略を継続展開中。24年6月期の売上高は、一桁台後半の伸長だった。「私たちは、市場の拡大を通して自社が成長することを重要項目にしています。市場の健全な拡大に貢献できた24年6月期は、非常に良い1年でした」とP&Gジャパン営業統括本部の山田敦執行役員は振り返った。

P&Gジャパン営業統括本部の山田敦執行役員

P&Gジャパン営業統括本部の山田敦執行役員

25年6月期の戦略の目玉は、カスタマーチーム内に「カテゴリー・グロース・アナリスト(CGA)」を新設したこと。CGAは、ビッグデータ分析から小売店への提案までを包括的に一人で担当する。人数は非公開だが、営業部と消費者分析部から抜擢した人材で構成。データ分析やプログラミングスキルを習得するなど、高度なデジタルスキルを持つ営業組織を目指す取り組みである。「先行導入した米国で大きな成果を生んでいる。営業の将来像を先取りした取り組みになるのではないか。これからの5年間が楽しみだ」と山田執行役員は破顔。小売店からの反応は良好で、確かな手応えがあるようだ。

また、機能だけでなく、初めて家事習慣を加味して開発した食器用洗剤を発売。1プッシュで30枚洗える「ジョイ PRO 洗浄 まとめ洗い用」とすすぎ時間が約半分に短縮できる「ジョイ PRO 洗浄 すぐ洗い用」がそれで、「消費者調査を行うと、使用した食器をシンクに置き1日1回まとめて洗う方、食事のたびに食器を洗う方に分かれています。それぞれの家事習慣のニーズに応えます。マット調のパッケージも食器用洗剤カテゴリーでは初めての試みで、店頭で抜群の視認性を発揮すると思います」と山田執行役員は説明する。

そのほか、特許処方を採用し誰も失敗しない未来の洗濯洗剤として打ち出す「アリエール MiRAi」、洗えば洗うほど衣類の美容液が浸透し、ピンシャキ、香り長続き、消臭を実現するよくばり柔軟剤「レノアリセット セラム」について解説した。

記者懇談会の詳細については10月7日発売の「国際商業 11月号」に掲載する。