佐藤久美子(さとう・くみこ)
1996年から化粧品輸入ビジネスに従事。「スイスライン」「ユイルエボーム」といったブランドを日本市場に導入。エコサート認証コスメとの出会いをきっかけにオーガニックコスメのセレクトショップ「オーガニックマーケット」をオープン。1999年よりSLJ代表取締役。

第1回「英国デパートに見るクリーンビューティー」では老舗デパート・セルフリッジにおけるオーガニック化粧品について、実情をお伝えしました。第2回では、薬局・ファーマシーにおけるクリーンビューティーはいかなるものか、詳しく見てきました。英国では処方権がある薬剤師への信頼が厚く、薬局は生活に密着したコミュニケーションの場になっていてアロマセラピーも根付いている。その中でクリーンビューティー、オーガニック化粧品はどういう位置付けなのか、どういう顧客層にアプローチしているのか、デパートとの違いを意識しながら、視察に向かった。

信頼がおける店構えと品ぞろえ

セルフリッジのすぐ裏手にある老舗の大型調剤薬局「ジョン・ベル&クロイデン(John Bell & Croyden)」に向かう。1798年創業の店構えはいつ見ても圧巻だ。扉を開くと、中央にある調剤受け付けが柔らかい笑顔で温かく迎えてくれる。ちょっとした緊張感が、ここでだったら何を買っても大丈夫、と思わせる安心感に途端に変わる。吹き抜けの高い天井と整然とした広い店内は、奥の方までを見渡せるすっきりとしたレイアウト。目的や効能別に並ぶサプリメントコーナーはとても広い。奥の方には気持ちよさそうな枕が並んでいるのが見え、お店全体が一望できるようになっている。手前のフェムケアコーナーも大きく面を取っている。オーガニックとそうでない商品がきちんと分かれていて、ゆっくりと商品を手に取り、比較しているお客さまが多い。母娘で会話しながらお買い物されている姿がほほ笑ましい。じっくりと品定めするには、とても居心地の良いお店だ。サプリメントコーナーでは、しっかりと商品の表記を見て確認している方ばかりだ。

英国ファーマシーの代表格であるジョン・ベル&クロイデン

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