このコーナーでは何回かにわたって、ドイツでなぜこれほどナチュラル・オーガニックコスメが支持されるのかをいくつかのブランドを通して考えてきた。ドイツでは世界で「有機(オーガニック)」が注目される以前から、有機農作物が支持を得てきたが、昨今はディスカウントスーパーでも取り扱いが拡大し、さらにコスメや衣服など生活全体に広がりをみせている。さらに新型コロナウイルスのまん延により、健康志向や環境志向が強まり、オーガニックや地産地消が見直されている。

欧州にはEU全体として統一されたオーガニックの基準があるが、ドイツではより厳しい基準を独自に設けている組織がいくつかある。もともと欧州ではキリスト教的伝統から自然治癒力を信じハーブを活用してきた。特にドイツでは森での散策を楽しみ、自然の力を借りようという考えが生活の中に根付いている。風邪を引いて病院に診察に行くと、薬がすぐ処方されるのでなくハーブティーを飲んだり、ひよこ豆を電子レンジで温めて湯たんぽがわりに使うよう勧められるなど、まずは人間が持つ治癒力による回復を図る施術が提案されることが多い。

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