日本でも昨年あたりから、「クリーンビューティ」や「クリーンコスメ」といった言葉が聞かれるようになった。ここ10年ほどの間に、米国で起こっていた化粧品・パーソナルケア製品のクリーンムーブメントを世界に知らしめたのは、セフォラ・アメリカズ(Sephora Americas)といえるだろう。「クリーンatセフォラ」とは何なのか。そして、今では、北米を中心に、化粧品マーケティングの鍵とさえ言われる「クリーン」とは何なのかを概観する。
米国セフォラのClean at Sephora
2018年6月、セフォラは米国でクリーンatセフォラ(Clean at Sephora)という新たなイニシアティブを発表し、たちまち話題となった。米国では、2010年代に入ってから「クリーン」を売り物とする化粧品やパーソナルケア製品(本稿では以降、化粧品で統一)が続々登場し、ネットやメディアに情報があふれ、アプリも登場。「成分」や「クリーン製品」についての消費者意識やニーズが高まっていたが、ごく普通の化粧品購買者が必死に調べなくても「クリーン」な製品を選べる手軽な方法はなかったのだ。セフォラが、消費者に代わって、パラベン、硫酸塩、フタル酸エステルなど有害とされる成分をリスト化し、それらを配合しない製品を選び、独自に「クリーンラベル」を付け、ワンストップで買えるようにした。当初、13でスタートした有害成分リストは、19年には50以上に拡充。セフォラなら、スキンケアから、メイクアップ、フレグランス、ヘアケアまで、今では約70ブランドがそろう。
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