大手は大幅減収で現場に将来不安が広がる
一年で最も心地よい季節を迎えた欧州では、新型コロナ感染流行の第一波を乗り越えた解放感も手伝って、多くの人々は窮屈ながら欧州内のバカンス先へ出かけ、若者はいつまでも明るい深夜まで街中に繰り出して騒ぎ始めた。だが、あちこちでクラスターが見つかっており、メディアではアメリカやブラジルなどでのコロナ猛威が伝えられ、いつでもあの悪夢がぶり返すかもしれないことを誰もが知っている。欧州では、日本に比べ、ずっと手厚い事業者の休業補償や従業員への一時的失業補償などが提供されてはいるものの、永遠に続けられるわけもない。特に、素肌や身体に触れる商品や行為が関わるビューティ業界では、ウィズコロナの新しい市場環境下で、いかに販売し、経営的に見合うビジネスモデルを再構築するのか、生き残りをかけた迅速な適応に懸命だ。
2020年5月、コンサルタント会社のマッキンゼー&カンパニーは、スキンケア、メイクアップ、ヘアケア、香水、パーソナルケア製品(以降「化粧品」と表記)のコロナショック直後と、その後の行方についての調査報告を発表した。独自の消費者調査と業界の聞き込みを重ね、短期・中長期について、小売業、関連企業、投資家に、その行方を示そうとしたものだ。ほかにも、業界専門のリサーチ会社や業界メディアがコロナ禍の分析やコロナ以降の見通しを出している。これらを基にしつつ、化粧品大国・フランスにおける業界ガイドラインや店頭動向を踏まえ、欧州を中心とした世界の化粧品販売の行方を紐解いていく。
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