タッチアップに代わる接客のスキルが求められる
緊急事態宣言が解除され、6月1日にはほぼ全館で営業が再開した百貨店の化粧品売り場だが、コロナ前の水準に回復するには相当の時間がかかりそうだ。インバウンド消費はほぼゼロ。加えて感染予防のため店頭でのきめ細やかなカウンセリングが制限され、手足をもがれた状態が続いているからだ。
営業が再開した6月の大手百貨店(化粧品全体売り上げ)の速報値では、三越伊勢丹HDが前年同月比41.2%減、高島屋が34.4%減、松屋が54.9%減、エイチ・ツー・オー リテイリングが45%減。約8割減だった5月よりは回復しているが依然厳しい状況に変わりがない。「6月1日に店がオープンしてから日本人のお客さまが戻りつつある。中でも再開を待ちわびたお客さまが、第2波が来たら困るからと高額品をまとめ買いする様子が目に付いた」(松屋銀座)。化粧品をストックしたいという意識は、裏を返せば店に行きたくないという心理の表れでもある。インバウンドの数字が望めないなか、いかに日本人のお客に来店してもらうか。東京では、また感染者が増え始め再びコロナ感染拡大が予想される第2波に備えた新たな販売方法が求められている。
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