化粧品の常識に挑む新興スキンケアブランド

新型コロナのまん延を機に、D2Cブランドが台頭しそうだ。外出自粛、臨時休業で苦境に立ったリアル店舗を尻目に、売上構成比の8割がECのメンズコスメブランド「BULK HOMME」は4月、5月ともに前月比3倍以上も増収。18年11月販売開始の新興スキンケアブランド「AGILE(アジャイル)」も6月の売上高は2月から倍増した。いずれもD2Cを標榜するブランドで、効率重視のECとは一線を画し、顧客とのブランド価値の共有を最優先に考え、新型コロナ禍で躍進を遂げた。

D2Cは、Direct to Consumerの略である。従来の化粧品販売では卸売業や小売業を介すため、ブランドは顧客情報を収集することが難しかった。しかし、ブランドと顧客と直につながるD2Cの場合、あらゆる顧客情報をつかむことができる。それをもとに商品開発やマーケティング戦略などの改善を繰り返し、ブランド価値に共感する顧客との関係性を深めるのが、D2Cの経営手法だ。

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