急務となる自社ECへの導線再構築

強みである売り場編集力が発揮できない――。話題作り、店頭イベント、生活シーンを切り取った売り場づくりによる商品提案を得意とするバラエティストア業態が新型コロナ禍で窮地に立たされている。売り場担当者による商品セレクト、商品の背景にあるストーリーの紹介、端的に魅力を紹介するPOPなど、お客に楽しみながら売り場を回遊して買い物をしてもらう、バラエティストアならではの店頭での体験価値が、緊急事態宣言を受けた休業以降は提供できなくなったからだ。

本来、バラエティストア業態はホームセンターに分類されるため、休業要請の対象とはならなかったものの、「百貨店やショッピングセンターなど、同じく休業要請の対象とならなかった商業施設が自粛しているなかで、バラエティストア業態だけが営業し続ける合理的な理由がない」(バラエティストア幹部)ため、緊急事態宣言が発令されて以降、大手バラエティストアはほとんどの店舗の営業を自粛。店頭に来てもらい、ゆっくり回遊してもらうバラエティストアならではの売り場を起点とした誘客ができなかった。そうしたこともあって、各社の売り上げは2020年3月期通期こそ微減で着地したものの、4月、5月の休業時期などは前年比40%を割り込んでいる。

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