ロート製薬の2025年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比11.7%増の683億5600万円、営業利益は4.4%増の117億9000万円、経常利益は0.2%増の122億7300万円と増収増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は投資有価証券評価損を特別損失に計上したことで6.7%減の84億8200万円と減益となった。

売り上げは、国内においてお客のニーズに合った商品提案や円安の影響により大幅増収となった。利益面では原価率が上昇したものの大幅な増収となったことに加え、販管費の効率的活用に努めた結果、営業利益・経常利益は増益となった。

地域別業績をみると、日本の売上高は9.9%増の405億3400万円の増収となった。酵素洗顔が好調の「メラノCC」や「肌ラボ」、サプリメントの「ロートV5」や日やけ止め等が引き続き好調に推移した。国内グループ会社においては、クオリテックファーマ社が増収に寄与した。セグメント利益は原価率の上昇に加え、研究開発費など販管費の計画的な増加により10.3%減の65億6500万円と減益となった。

アメリカの売上高は、18.4%増の50億1500万円と大幅な増収となった。流通を拡大させたことによりOTC目薬が順調に推移したのに加え、ブラジルの連結子会社も増収に大きく貢献した。セグメント利益は原価率の上昇により、4.7%減の3億400万円と減益となった。

ヨーロッパの売上高は、12.0%増の38億8800万円と大幅な増収となった。主力の消炎鎮痛剤は中東向けの出荷時期のずれの影響などで減少したものの、ポーランドのダクス・コスメティクス社が「Perfecta」や「Hadalabo Tokyo」の好調を受け増収に貢献した。また、2021年から「ロート ドライエイド」により目薬市場の開拓を進めており、好調に推移している。セグメント利益は原価率の上昇に加え、販管費の増加により、32.5%減の3億5600万円と減益となった。

アジアの売上高は、13.8%増の180億9100万円と大幅な増収となった。引き続きインドネシア、香港、台湾などが好調を持続し、中国・ベトナムが回復傾向となり増収に貢献した。商品別では「肌ラボ」、日やけ止め、フケ抑制シャンプー「セルサン」が増収に寄与した。セグメント利益は増収効果に加え、原価率の改善と販管費の効率的な活用により、51.2%増の43億2000万円と大幅な増益となった。

25年3月期通期業績予想は、第1四半期がほぼ予定どおりの進捗となったため、既存事業の業績見通しは概ね変更していないが、当期に新たに子会社化するユーヤンサン社およびモノ社の業績を第3四半期以降に反映させたこともあり、期初予想を上方修正。売上高は18.2%増の3200億円、営業利益は7.9%増の432億円、経常利益は4.2%増の442億円、親会社株主に帰属する四半期当期純利益4.1%増の322億円を計画。売上高、利益ともに過去最高を更新する見通しだ。