ロート製薬の2024年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比17.1%増の611億7100万円と大幅な増収。営業利益は36.1%増の112億9200万円、経常利益は26.9%増の122億4200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は30.0%増の90億9000万円と全ての利益段階で大幅な増益となった。売り上げは、国内においてお客のニーズに合った商品提案や、インバウンド需要に回復の兆しが見られたことにより増収となった。海外においても、原材料価格の高騰があったものの、お客のニーズに合った商品提案や円安の影響により増収となった。利益面では、大幅な増収となったことに加え、原価率の改善や販管費の効率的活用が奏功した。

地域別業績を見ると、日本の売上高は、17.3%増の368億9900万円。酵素洗顔が好調の「メラノCC」や「肌ラボ」、サプリメントの「ロートV5」が引き続き好調に推移。マスク着用習慣により落ち込んでいたリップクリームも回復し新型コロナウイルス感染症拡大前を上回った。国内グループ会社においても、「ボラギノール」を主力商品とする天藤製薬も増収に寄与している。セグメント利益は、大幅な増収と原価率の改善により41.1%増の73億2300万円となった。

アメリカは、12.1%増の42億3400万円。医療用消毒薬等を製造・販売するハイドロックス・ラボラトリーズ社が引き続き好調に推移し、増収に大きく貢献した。セグメント利益は、大幅な増収と原価率の改善に加え、販管費の効率的活用により、135.7%増の3億1900万円と倍増した。

ヨーロッパは、12.6%増の34億7000万円と大幅な増収。主力の消炎鎮痛剤が引き続き好調に推移し増収に寄与。「Hadalabo Tokyo」も英国、東欧および中東主要国で好調に推移した。また2021年5月にCEマークを取得し発売したドライアイ点眼剤である「ロート ドライエイド」により、目薬市場の開拓を引き続き進めており好調に推移している。セグメント利益は66.8%増の5億2800万円だった。

アジアは、18.6%増の158億9000万円。香港、マレーシアが高成長を持続し、中国がコロナ禍から回復傾向となり売り上げをけん引。日やけ止め、リップクリーム、フケ抑制シャンプー「セルサン」、目薬、「50の恵」や「肌ラボ」が増収に寄与した。セグメント利益は5.0%増の28億5700万円と増益となった。

2024年3月期通期業績は、第1四半期の日本セグメントが好調に推移し、第2四半期以降も引き続き堅調に推移すると予想し、23年5月12日に公表した連結業績予想を上方修正。売上高は10.2%増の2630億円、営業利益は9.0%増の370億円、経常利益は6.8%増の380億円、親会社株主に帰属する四半期当期純利益4.3%増の275億円を計画している。