ロート製薬の2023年3月期業績は、売上高が前年同期比19.5%増の2386億6400万円、営業利益17.0%増の339億5900万円、経常利益23.7%増の355億6800万円、親会社株主に帰属する当期純利益24.9%増の263億7700万円と2桁増収増益と好調だった。国内市場は全製品カテゴリーで増収となり、全体で大幅な増収増益だった。海外も東南アジアを筆頭に全地域で好調で、セグメントを見てもアイケア、日焼け止め、ヘアケアが大きく増収に貢献し、大幅増収増益となった。
セグメント別にみると、日本は売上高12.6%増の1366億6800万円、営業利益10.1%増の211億5000万円。酵素洗顔が好調な「メラノCC」、日焼け止め、「肌ラボ」、「ロートV5粒」、高額目薬が好調を維持しコロナ前を上回る推移となったほか、マスク着用習慣により伸び悩んでいたリップクリームも回復傾向にある。また、発毛・育毛剤「リグロ」が10億円を突破し、着実な育成につながっている。そのほか、新型コロナウイルス抗原迅速検査キットも増収に寄与。21年8月に子会社化した「ボラギノール」を主力商品とする天藤製薬やロートニッテンも増収に寄与した。
主力製品別売り上げでは、「肌ラボ」が17.2%増の142億4700万円、「メラノCC」が66.6%増の115億7900万円と100億円ブランドに成長。「今後は新製品の投入などでさらに成長させていく」(杉本雅史社長)考えだ。日焼け止めは38.4%増の78億4900万円、「ロートV5粒」が35.4%増の51億9900万円、高額目薬が5.6%増の39億2600万円、「オバジ」が8.6%増の78億1300万円、リップクリームが25.3%増の41億800万円といずれも好調だった。
インバウンド&越境ECは売上高が18.5%増の約22億3000万円。大人気の「メラノCC」のほか、「エピステームステムサイエンスドリンク」の人気も急上昇している。目薬やコンタクトレンズ洗浄液も不動の人気だ。今期も同等の需要を予測するが「必要以上に想定はしていない」(杉本社長)。
海外は、アジア、アメリカ、ヨーロッパとも大幅な増収増益。特にアジアは中国こそ0.2%増の横ばいだったが、香港14.8%増、ベトナム38.5%増、マレーシア29.6%増、インドネシア14.2%増など東南アジアが好調、台湾も12.0%増と2桁増と堅調だった。製品・カテゴリー別でも目薬の25.9%増、126億8900万円をはじめ、「アクネス」が23.9%増の65億2800万円、男性用化粧品15.4%増の68億5300万円、「50の恵み」50.7%増の35億9800万円など主力ブランドが好調に推移した。
24年3月期通期業績は、売上高8.5%増の2590億円、営業利益3.1%増の350億円、経常利益1.2%増の360億円、親会社株主に帰属する当期純利益0.5%増の265億円と増収増益を見込む。
決算説明会の最後に説明に立った山田邦雄会長は「Well-being」に向けた取り組みについて「成果が出始めている」とし、今後も社会、人材、企業の三つの軸でWell-being経営を進めることが「5~10年後のロートの業績のベースになる」と語った。