売り上げ2割減――。日本通信販売協会(JADMA)は、機能性表示食品の見直しを議論する消費者庁の「機能性表示食品を巡る検討会」において、紅麹問題のサプリメント売上高への影響を公表した。データは3月上旬から4月上旬の全国ドラッグストア等のPOSデータに基づくもので、販売実態をそのまま反映したものと言えるだろう。サプリメントの主要チャネルである通信販売でも、売り上げの核となる定期購入の解約などがあり、「1〜2割の売上減で今期計画を大幅に見直さざるを得ない状況」(大手健食通販企業)という。一方でファンケルは通期での売り上げへの影響を4億円と公表しており、他社からは「意外なほど影響が軽微」との声も上がる。この辺りは、ブランド力や顧客との関係性により差が出ていると言えようか。
ただ、JADMAは先の説明で業界全体への影響を1000億円のマイナスと示唆している。過去を振り返っても、中国製ダイエット食品での死亡事故や、アガリクスの発がん性等、安全性で大きな問題が生じた際は、市場の冷え込みが1年程度続いており、今回も回復にはしばらく時間がかかりそうだ。広告代理店が定点的にまとめている紅麹問題に対する消費者意識調査でも、この問題について「怖い」と回答する層が5月時点でも35%以上となっており、消費者心理へのネガティブ影響は尾を引いている。
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